2024/10/15

10/15 配信開始「Snow Breaker」/ Brick Geist

疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ

「Snow Breaker」/ Brick Geist

 作曲:弦央昭良
 編曲:弦央昭良

Release Date:2024/10/15
JASRAC作品コード:307-0651-3  

 

#テクノポップ #エレクトロニカ #シンセポップ

2024/10/13

70年万博の冨田勲楽曲

 70年万博の東芝IHI館のことを、前回の投稿から気になってネットで調べてみた。
 とんでもなくぶっ飛んだデザインで、ハイテックな巨大ぼんぼり(?)状のドームが、地面から浮かんでいる形態のパビリオン。このドームの内部は巨大スクリーンを巡らせたシアターになっていて、なんと客席は地下から油圧で上がってきて、ドーム下部に合体して劇場になる形式。書いてて頭がクラクラしてくるが💧、実際これで稼動してたらしいです。なお客席は回転もします。

 IHIが最近も東京で設営してた可動式円形シアターがありましたね(もう取り壊されたらしいが)。あれの元祖ですわね、あきらかに。
 1970年……。信じられない話です。デザインは黒川紀章氏。

 で、このドーム劇場内部で、8面のマルチスクリーンを活かした12分の短編映画が流されていたらしい。世界の人々の文化や暮らし、諸問題、未来がテーマの映像とのこと。その音楽を担当したのが冨田勲先生。

 さて、果たしてこのパビリオンを幼い自分は訪れていたのか。この東芝IHI館は傍らに非常に特徴的な鉄骨タワーが建っていて、これをはっきり憶えていました。親に手を引かれて横を歩いていますね、たぶんもう夜のとばりが降りるころか……。
 そして、当時の短編映画のスチール写真をみると、うっすらと記憶が蘇ってきた。暗いところで巨大スクリーンが並んでいて、そこに顔がアップで映ったりして、子供だった自分は怖かった……。もしこれが別の場所でないなら、この映像と音楽を自分は体験しています。ただし、映画なのでたぶんナレーションも大音量で、音楽の印象は残っていません。とにかく音も絵も迫力がありすぎて、内容も難しいし子供は怯えるだけだったと思う。

 実は決定的なのは、地下のウェイティングスペース(客席に乗り込むための待合)で、流れていた音楽。環境音楽のような、今の知識だとビブラフォンかグロッケンシュピールか、で演奏される器楽曲。子供心にもきれいな音だな……とずっと記憶に残っていた。

 今回調べたら、なんとこの曲が見つかった。編曲:冨田勲になるんでしょうか、世界の民謡や伝統曲のフレーズを次々につないだものでした。これはたぶんチェレスタの演奏。記憶とほぼ合います。
 ということで、70年万博で冨田先生の曲を、幼い自分はそうと知らずに聞いていた――と一応確定です。いやあもう、なんと言って良いやら。人生の重要な局面にいつも冨田先生の音楽があったわけです。

 確かに、『キャプテンウルトラ』『マイティジャック』『ジャングル大帝』あと『リボンの騎士』もか、リアタイで見てましたが(音楽:冨田勲)、人生で初めてTVと無関係に純粋な「音楽」を意識したのが、この万博パビリオンだったので。
 ちなみに、ドーム劇場内で流れていた音楽も聴きました。とんでもなく尖った内容で、オーケストラとバンド演奏を組み合わせた曲です。長くなるので割愛するが、70年代フレーバー満載。シンセサイザーはまだ導入していませんが、色彩感やサプライズに圧倒されます。ハモンドを弾いてるのはミッキー吉野さん、ボーカルは(ルパンを歌う前の)チャーリー・コーセーさん。どうです、聞きたくなったでしょう?😘 実はマニアの間では非売品のレコードが高値で取引されてたんだけどね、当時関係者だけに配られたものだったらしい。

 いやまあ、とてつもなく衝撃的な秋になりました。あと30年は頑張れるパワーを貰った。

2024/10/09

10/15 配信予定 「Snow Breaker」/ Brick Geist

 疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ

 作詞:-
 作曲:弦央昭良
 編曲:弦央昭良

Release Date:2024/10/15
JASRAC作品コード:307-0651-3 

#テクノポップ #エレクトロニカ #シンセポップ
 

2024/10/07

映画「太陽の塔」で大発見

  ドキュメンタリー映画『太陽の塔』(2018年)を観た。言わずとしれた岡本太郎が1970年の大阪万博で作った巨大なモニュメントのことですね。建設の苦労話や背景が前半で、中盤以降や太陽の塔や岡本太郎について、宗教学者や民族学者を中心に思想性や解釈をコメントする形式。例によってコメントはぶつぎりで、結構ざくざく編集してある(こういうの流行か?)。前半は当時の記録フィルムがふんだんに使われ、懐かしかったです。

 岡本太郎は修行時代のパリから帰って、国立博物館で縄文土器を「発見」し、その芸術性に驚いて論文を書き、縄文土器が美術作品として評価されるきっかけを作ったのですね。
 実はそれだけでなく、太郎は自分の芸術のルーツを縄文に求めて、その後沖縄や東北を広くフィールドワークしたそう。それは、縄文文化(狩猟)を持った人々が、歴史的に弥生文化(稲作)に押されて「辺境」に追いやられたから。本州に残った縄文文化圏は、後に被差別側にされますが、沖縄・東北ではそうではなかった。

 映画で東北の「鹿踊り」の様子が流れましたが、速い調子の太鼓に合わせて非常に勇壮な踊りが展開されるものでした(もちろん太郎はこれも取材)。
 宮澤賢治にも『鹿踊りのはじまり』という作品がありますが、たぶん着想の元になったものでしょうか。なんと太郎と賢治がここで繋がってしまった。

 そしてもう一点、傍と気付いたが、70年万博は冨田勲先生が東芝IHI館の音楽を担当しているので、ちょっと牽強付会だが冨田先生と賢治と太郎が繋がってしまったともいえます。
(もともと冨田作品には賢治から題材をとったものが幾つかある。最後の作品となったのは『イーハトーヴォ交響曲』だし) まさかこの三人が70年万博で繋がっていたとは、大変な発見をしたなあ……と感慨に耽っている次第です。

 以下個人的な話。
 70年万博、実のところ自分は幼いころ両親に連れられて行っています。
 さすがに僅かな記憶しかありませんが、印象としては本当に未来都市のイメージで、日が落ちてからの夜景がまたすごかった。映画以上の光景です。
 太陽の塔は、遠くから見れば形がわかるが、近づくと途方もなく巨大で怪物のイメージ。塔の内部に入って、確かあの天井の未来都市も歩きましたよ。
 東芝館も行ってるように思う。果たしてそこで冨田先生の音楽を聞いているのか否か。さすがにほぼ記憶はないが、また書きます。

2024/10/01

YMOのアルバムから学ぶもの

   80年代にリリースされたYMOのオリジナルアルバム、全曲おさらいリスニング終了。スタジオ録音盤の楽曲は全て聞いた。
 ここまで聞いて思うのは、お三方は音楽家として本当にヒネているということ。😓 とにかく世間から期待されていることをしない(ように思える)。ぶっちゃけ大ヒットした2枚目の「ソリッド・ステート・サバイヴァー」と同じ路線なら、確実に3匹目のドジョウまではいるわけですよ。でもそうはしない。もちろん同じことをやり続けるのは、先鋭的なミュージシャンには往々にして苦痛なわけで、常に新しいものを作る方を選んだわけですね。
 とはいえ、少しはファンサービスということも普通は(商業音楽なので)考えるわけで、それをほぼ拒否しているようにみえる。😅

 これが許されたのは、YMOというスーパーグループだからこそだし、当時のA社プロデューサー両氏にやりたい放題させる度量があったからでしょうね。
 1981年の「BGM」なんか、あきらかに90年代っぽいテイストがある。10年先の音楽を作っていたといえそうです。
 さらにこのあたりは、テクノポップというより「テクノ」っぽい。だから本当に時代を先取りしていたんだなあと思います。

 そして解散(散解)が内部的に決まって、出したのが「浮気なぼくら」(1983)。これでいきなり、ストイックなテクノから、テクノポップを超えたテクノ歌謡までいってしまった。
 当時の自分の反応は、「いきなりなんてことを始めたんだ? でもらしいなあ」でした。世間の反応も驚かれはしても、YMOならこれくらいはやる……という「想定内」だったと思います。で、「君に、胸キュン。」がまた大ヒットしちゃうんだよね。この曲で歌番組にも出てましたが、お三方がなんだか少しはにかみながら歌っているのが面白く、明らかにそこまで計算してやってますからね。
 やっぱり80年代音楽の巨大な台風の中心だったと思います。
 意外なことに、83年にはもうラストのスタジオ盤「サーヴィス」を出しています。イメージとしては80年代はずっと存在してたように思えるんだけど、メンバーが全員売れてYMO以外でも出ずっぱりだったから、そう思えるんだと気付いた。

 今回気付いたのは、YMOのボーカル曲はほとんどが声にエフェクトを深く掛けていて、どちらかというと雰囲気ボーカル、インスト曲の範疇に入るといっても間違いではなさそうです。
 またソリッドステート~以降のアルバムで、今で言うサチュレーションを意識した音作りをしているらしきものがある。(ボヤッとしててスマン)。シンセサイズに加えて、スタジオでのミックスでも色々なチャレンジをしていたことが見てとれます。
 それにしても異常な売れ方で中期以降はアルバム制作に時間が取れなくなっていたようで、そのあたりは聞いてみるとわかりますね。1・2枚目とは明らかに楽曲の成り立ちが違う。

 シンセインスト曲は自己満足になりがちだけど、商業音楽ならどこまでやらないといけないか、逆にやりすぎ(考えすぎ)も弊害があるし、そのあたりはもう見事なお手本(リファレンス)がここにあるといえそうです。

9/20 配信開始「ふわり」/ まいみぃ

ノイズに埋もれゆく君の手触り、きっと取り戻すから――。シンセポップ・ロマンス   ふわり / まいみぃ  作詞:弦央昭良  作曲:弦央昭良  編曲:弦央昭良 Release Date:2024/09/20 JASRAC作品コード:305-9357-3 #AOR #...