70年万博の東芝IHI館のことを、前回の投稿から気になってネットで調べてみた。
とんでもなくぶっ飛んだデザインで、ハイテックな巨大ぼんぼり(?)状のドームが、地面から浮かんでいる形態のパビリオン。このドームの内部は巨大スクリーンを巡らせたシアターになっていて、なんと客席は地下から油圧で上がってきて、ドーム下部に合体して劇場になる形式。書いてて頭がクラクラしてくるが💧、実際これで稼動してたらしいです。なお客席は回転もします。
IHIが最近も東京で設営してた可動式円形シアターがありましたね(もう取り壊されたらしいが)。あれの元祖ですわね、あきらかに。
1970年……。信じられない話です。デザインは黒川紀章氏。
で、このドーム劇場内部で、8面のマルチスクリーンを活かした12分の短編映画が流されていたらしい。世界の人々の文化や暮らし、諸問題、未来がテーマの映像とのこと。その音楽を担当したのが冨田勲先生。
さて、果たしてこのパビリオンを幼い自分は訪れていたのか。この東芝IHI館は傍らに非常に特徴的な鉄骨タワーが建っていて、これをはっきり憶えていました。親に手を引かれて横を歩いていますね、たぶんもう夜のとばりが降りるころか……。
そして、当時の短編映画のスチール写真をみると、うっすらと記憶が蘇ってきた。暗いところで巨大スクリーンが並んでいて、そこに顔がアップで映ったりして、子供だった自分は怖かった……。もしこれが別の場所でないなら、この映像と音楽を自分は体験しています。ただし、映画なのでたぶんナレーションも大音量で、音楽の印象は残っていません。とにかく音も絵も迫力がありすぎて、内容も難しいし子供は怯えるだけだったと思う。
実は決定的なのは、地下のウェイティングスペース(客席に乗り込むための待合)で、流れていた音楽。環境音楽のような、今の知識だとビブラフォンかグロッケンシュピールか、で演奏される器楽曲。子供心にもきれいな音だな……とずっと記憶に残っていた。
今回調べたら、なんとこの曲が見つかった。編曲:冨田勲になるんでしょうか、世界の民謡や伝統曲のフレーズを次々につないだものでした。これはたぶんチェレスタの演奏。記憶とほぼ合います。
ということで、70年万博で冨田先生の曲を、幼い自分はそうと知らずに聞いていた――と一応確定です。いやあもう、なんと言って良いやら。人生の重要な局面にいつも冨田先生の音楽があったわけです。
確かに、『キャプテンウルトラ』『マイティジャック』『ジャングル大帝』あと『リボンの騎士』もか、リアタイで見てましたが(音楽:冨田勲)、人生で初めてTVと無関係に純粋な「音楽」を意識したのが、この万博パビリオンだったので。
ちなみに、ドーム劇場内で流れていた音楽も聴きました。とんでもなく尖った内容で、オーケストラとバンド演奏を組み合わせた曲です。長くなるので割愛するが、70年代フレーバー満載。シンセサイザーはまだ導入していませんが、色彩感やサプライズに圧倒されます。ハモンドを弾いてるのはミッキー吉野さん、ボーカルは(ルパンを歌う前の)チャーリー・コーセーさん。どうです、聞きたくなったでしょう?😘 実はマニアの間では非売品のレコードが高値で取引されてたんだけどね、当時関係者だけに配られたものだったらしい。
いやまあ、とてつもなく衝撃的な秋になりました。あと30年は頑張れるパワーを貰った。
2024/10/13
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