DEW RIDGE RECORDSはフリー楽曲プロバイダーでもあるので、試しに楽曲のライナーノーツ的な何かを書いてみる。(まあ前回もやったが…)
世間のレーベルであまりこういうのはないが、ウチは慣習に縛られる必要もないので。音楽マニアや業界の皆さんは面白がってくれるかも?
「初恋インパクト」
・歌唱担当の「ゆきみもっち」さん
クール・キュート・コミカルな感じがない交ぜになった、なかなかに面白いキャラのボーカルで、僭越ながら伸びしろがかなりある感じ。フレッシュな雰囲気も曲調に合うので依頼。期待に応えてくれました。
・コード進行
弦央昭良にしては珍しく(依頼曲以外)、今回トライアド中心。意識してそうした。以前アイドル曲をテトラドで書いたら自分でも引くくらい大人っぽくなってしまい、以来気を付けている。響きはシンプルだが、陳腐にならないようb5のコードを入れたり、変化を付けた。
・歌詞
ただの初恋ソングでは面白くないので、2番で意外な展開が来る構成にした。相手の男性はかなりの●ズですが、その方が曲としては面白いので…。
・アレンジの肝
サウンドはハードシンセが中心、ドラムはTR-8。ほぼ全曲に渡って16分音符でベースかテナー音域のシーケンスが鳴っている。恋のドタバタ・ジタバタ感を感じてもらえたら大成功。
2024/08/29
「初恋インパクト」制作メモ
2024/08/28
カセットとドルビー
カセットテープで思い出した話。昔はカセットデッキという、オーディオコンポ用の高性能録音再生機が、それはもうたくさんのメーカーから星の数ほど発売されていました。
ところが今は、それらのオーディオメーカー・ブランドもほとんどが消えていき、今やカセットデッキを生産販売している日本メーカーは、どうやら一社のみ、それはTEACです。
音楽をやっている人なら絶対知っているメーカーですね。今もミキサーやらオーディオI/Fやら、デジタルハンディ録音機とか、音響関連の製品をたくさん出していますが、昔はカセットデッキも評判の良いメーカーでした。
そのTEACの作っているのが実売5万円台のダブルカセットデッキ(また若い子がわからん用語が出てきた😌)で、たぶんそれほど利益も出ないと思うんだけど、意地で出しているんじゃないかという雰囲気の製品。
ここからが本題ですが(😄)、製品ページ眺めてたら気付いたんだけど、なんとドルビーノイズリダクションって、今はもう正式な回路は作れないんだって。カセットレコーダー需要急減で、対応ICが生産中止になってしまっているそう。
それで、TEACの技術陣が急遽、特許や権利に抵触しないよう、ドルビーNRで録音されたテープを正常に再生するため、ドルビー代替回路を設計して、それをこのカセットデッキに搭載しているらしい。スゲー話ですわ。さすが技術のTEACです。
ドルビーといえば、今は5.1chなりアトモスばかり有名ですが、元々はカセット用のノイズリダクションで名を馳せた会社ですからね。それがIC廃版で作れないとは……。
いやはや、こんなところでも時代の流れを感じてしまいました。
メタルテープ、クロームテープ、ありましたね。ノイズリダクションのdbxとか(dbxもサウンドプロセッサ関連で存命ですが)。
カセット関連の技術は、そろそろロストテクノロジになりつつあるようで、精通している技術者は非常に少なくなっているようです。
2024/08/27
2024/08/24
2024/08/22
カセットテープの活用
カセットテープ録音によるサチュレーション付加がうまくいったので、新しい曲のレコーディングでまた試している。
トラック全体でなく、特定パートだけにするのがミソ。クリアすぎるパートが、本当にいい感じでアナログ色になります。この場合完全に差し替えるのではなく、元のデジタルトラックを残しつつ、カセット録音を適度にミックスしてやります。この配合で、どのくらい音が「汚れる」かコントロールできわけ。
ラジカセでやっていますが、それにしても、テープにデジタルトラックを録音していると、これが超楽しい。巻き戻し、(ガチャ)、停止、(ガチャ)、録音、(ガチャ)……なんてやってると非常に懐かしい気分になります。😄 もう録音とか全部テープに戻した方がいいじゃないだろうか。音は決して良くないのに、mp3よりはるかに音楽的に思えます。
録音後に再生して、それを今度はProToolsで録音、って作業も発生します。
テープの回転速度の関係で、必ず元のトラックとズレが発生するのですが……。今回気付いたが、ラジカセって一方的に遅いとか速いとかでなく、早くなったり遅くなったりしているんですね。😆 こりゃ盲点だった。元のトラックと同期させるのに、DAWの機能を色々使って苦労はします。
(ラジカセでなくもっと高級なテープデッキだと、回転数はサーボ制御で一定になると記憶してる。その場合でもカセットの巻きムラがあるとやはり多少はブレるはず)
サチュレーションひとつとっても、低コストで色々付加する方法はあるわけで、今後も絶対プラグインでは出せない音質を追求していきたいと思います。
2024/08/21
8/27 配信予定「初恋インパクト / ゆきみもっち」
◆8/27 配信予定の新曲です。
「初恋インパクト / ゆきみもっち」
絶対あなたをモーレツGET! あわわな初恋シンセポップ
作詞:弦央昭良
作曲:弦央昭良
編曲:弦央昭良
Release Date:2024/08/27
JASRAC作品コード:305-3087-3
#シンセポップ #エレクトロニカ #テクノ歌謡
2024/08/19
2024/08/18
2024/08/12
ガチ世代のYMO観
YMOの洗礼を中高生でリアルタイムに受けた世代で、まだ音楽をやっている人って珍しいかもしれないから、そこから見た当時のYMOの感じを、記憶を辿りながら書いてみる。
まずYMOのお三方は、新しい音楽の作り手ということはもちろん、とにかく面白い人のポジションだったですね。面白カッコイイ、みたいな感じだといえばわかってもらえるか。それはスネークマンショーとの関わりも大きかったが、そもそも音楽性になにかユーモア(あるいはパロディック?な何か)を感じていたような、僕ら世代は。
ある時期まではホントに全員YMOを聞いていて、当時の流行は物凄かった、昭和ならではといえると思います。
ビートルズがそうだったように、ファッションまで流行させましたが、テクノカット(髪型)は別段周囲では見かけなかった。街でも居たかなあ、余程の繁華街ならいた気がする。とにかくクラスメイトにはいなかった。
(面白いことに、ビートルズもリバイバルで結構ヒットしていた、だって解散からまだ10年くらいの時だから 汗)
YMOがデビューした時は、テレビゲームの走り、タイトーのインベーダーゲームが大流行していた時代で、皆喫茶店のゲーム台に100円つぎ込んで粘ってましたね。僕ら世代はインベーダーやるために喫茶店に足を運ぶようになった。(その後かな、すぐゲーセンも出始めた)
脱線したが、そのテレビゲームに乗っかったのが、初期YMO。だからYMOも時代の子といえます。あと“ファッション”中国趣味も取り入れていて、これは皆様ご存知の通り。「イエロー」な音楽を作る、という大構想があったのですね。
以前も書いたが、放課後の教室で、こっそり持ち込んだラジカセでYMO(まあ主にコントだが)を皆で聞いたり……ってことがあちこちであった。だから本当に時代の音であり音楽でした。
今にして思えば、ちょうど日本が高度成長期終りからバブル始まりに至るくらいの時代に、YMOの音楽があったように思います。
そうそう、年長者からは、「ピコピコ」って言われてたな、YMOやテクノポップ系の音楽は 。😅
まあまさか2024年になって、音楽の作り手の立場からYMOを分析的に聴くとは思わなかった。こういうずば抜けた人たちが居てくれて、作り手としても、リスナーとしても僕らは幸せですね。
2024/08/07
ProToolsサブスク更新
ウチは32トラックエディションのサブスクですが、もちろん先頃「永続版」が出たのも知っています。それでも熟考の末、やっぱりサブスクを選択。
永続版はサブスクの2倍の値段でお手頃&魅力的ではありますが、これって結局サポートは1年だけなんですね。その後もサポート受けたいなら、アップデートライセンス購入が毎年必要。これがなんと1万で、結構微妙です。
Win10のサポート期限が来年だし、パソコンもそれに合わせて更新したいので、結局今回はサブスグが最適だと判断した。サブスク版と同じPCに永続版を入れたら不具合が出るんじゃないか……という心配もある。なんせ愉快なバグを延々放置するAVIDのことだから、どんなトラップがあるかもしれない。マイクロソフト並に警戒したほうが良い会社です。
前にも書いたが月1300円弱のサブスクだと思えば、まあそんなもんかという感じだし。
今後も騙し騙し使っていきます。音質は最高に良いので、もう他のDAWには戻れなくなります。
しかし、意外と落ちることはないんだよな、ウチの環境だと。これまで1度くらいしか記憶がない。この時も原因はプラグイン過多だったようだ。あ、PSPのバグ放置系プラグインで落ちたことは2回あるか。だからPSPのやつは怖くてもう買ってない(たぶんAAXのテストをあまりやってない)。
あと思い出した、永続版でもサポート期限が切れると使えなくなるプラグインがあるが、なんと公式にはどのプラグインか公開してないらしい。Geminiでも確認した。このあざとさ(w)。正に踏んだり蹴ったりですが、世界中でぶつぶつ文句を言われながらも、使い続けられるという、稀有なDAWといえます。
2024/08/02
YMOの周辺
YMOをアルバム単位で聞き返していますが、その凄さを再確認。今の耳でないとわからないことも多々あり、シンセインスト制作上の重要なヒントが見つかる。テクノポップという新しい音楽の出現ですね。
そして当時社会現象になったのは、やっぱりリスナーも極めて健全な「耳」を持っていた。こんなにも新しいものを受け入れたんだから。
(まあ自分もいい加減オッサンだから、実はガチ世代。ティーンエイジャーの時、YMOが新曲として今の代表曲を出してる。ラジカセでエアチェック。今の子には通じないw)
意外だったのは、ファーストアルバムは1978年だったのですね。YMOは80sのイメージが強いから。もうひとつ、結構生ピアノが入っていた。スタジオ作品だから多重録音だが、スリーピースバンドという認識も生まれた。
こりゃあきらかに「書き譜」のアレンジじゃなく、スタジオで現場作業風に練り上げられたトラックだなあと。当時のエンジニアの証言とも合う。とにかく待たされたらしいから。三人で延々打ち合わせ・試行錯誤してたとか。
それにしても、このファーストのマスターが上がってきたとき、当時所属していたA社のトップお二方は頭を抱えたらしいですね。こんな新しいもの、どうやって売ろうかと。なんせ昭和だから、完成までノーチェックだった。
懇意のラジオやTVディレクターに声を掛けたが、案の定ウチではとても……って反応ばかり。そこから最終的にどう売ったかは、本にもなっているから省略するが、まあ「えっ。そんなアナログな方法でいいの?」っていう……。これもビックリです。
才能ある若手に充分な時間と資金を渡して好きにやらせたら、とてつもないクオリティの尖った音楽が出来てしまった……という、ある種お伽話のようなエピソードです。お陰で永遠に売れ続けるマスターピースが出来てしまった。
これをちゃんと世に出して広めたA社のプロデューサーお二人は、口幅ったいですが豪腕というしかないですね。YMOのお三方はもちろん凄いが、仕掛け人もまた桁外れだった。
10/15 配信開始「Snow Breaker」/ Brick Geist
疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ 「Snow Breaker」/ Brick Geist 作曲:弦央昭良 編曲:弦央昭良 Release Date:2024/10/15 JASRAC作品コード:307-0651-3 #テクノポッ...
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疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ 作詞:- 作曲:弦央昭良 編曲:弦央昭良 Release Date:2024/10/15 JASRAC作品コード:307-0651-3 #テクノポップ #エレクトロニカ #シンセポップ
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いつか聞こうと思い買ってあった古いレコードが何枚かあり、その中に「園まり」のアルバムがありました。調べたら1969年発売のものらしいが、今でいうカバーアルバム。昔の歌手はカバー曲をよく歌っていて、オリジナルアルバムでも半分くらいカバーとか良くあった、しかもほとんどアレンジが同じ...
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DEW RIDGE RECORDSはフリー楽曲プロバイダーでもあるので、試しに楽曲のライナーノーツ的な何かを書いてみる。(まあ前回もやったが…) 世間のレーベルであまりこういうのはないが、ウチは慣習に縛られる必要もないので。音楽マニアや業界の皆さんは面白がってくれるかも? ...