2021/11/27

「見つけて群馬」「翼の王国」カラオケ配信スタート

 JOYSOUNDのうたスキミュージックポストで、当方で制作させて頂いた曲のカラオケ配信が始まっています。

「見つけて群馬」(ヒカリ真王子)
https://musicpost.joysound.com/music/musicId:138603

「翼の王国」(ナギサ)
https://musicpost.joysound.com/music/musicId:111058

 以下は当方の楽曲ではありませんが、ヒカリ真王子さんのデビュー曲です。

「江の島つむぐ雨」(ヒカリ真王子)
https://musicpost.joysound.com/music/musicId:136311

2021/11/26

「これがわが社の黒歴史」ヤマハ編

 数日前夕方にTV付けたらNHKで流れていた番組、これってピアノや楽器類が映っているしヤマハじゃないか、と思ったらやっぱりそうだった(w)。NHK攻めてるなあ、まあこれに出られる企業は現在は絶好調なわけですからね。(今回2回目で、第一弾がバンダイだったらしい)

“総合楽器メーカー”の黒歴史から、今を生き抜くヒントを探る!
神田伯山のこれがわが社の黒歴史
11月23日(火・祝)[総合]後6:05
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=31753

 以下内容ウロ覚えなのでご容赦。

 電子楽器=エレクトーン(TM)の発売後、海外製半導体の品質の悪さに何度も泣かされてきたそう。そこでいっそ内製してしまえと、ヤマハの半導体事業が始まった。半導体技術の第一人者である西澤潤一教授に教えを乞い立ち上げ成功。電子楽器も高度化し、’80年代にはFM音源搭載のデジタルシンセサイザーDX7などのヒットで絶好調。(当ブログ読者なら皆さんご存知、もちろんヤマハ製のカスタムLSIが使われていた)
 このFM音源チップはパソコンにも採用され、特にWindows95旋風からのマイクロソフトとの協業で売れに売れた。楽器も右肩上がりだったが、それを遥かに上回る利益をもたらした。
 ここまで良かった。この時点で半導体事業をヤマハの主軸に据えようとしていたそう(既に少子化で楽器事業は頭打ちだった)。

 そこへ今度はインテルが、自社のパソコンにチップを組み込みたいと言ってきた。そこで800億円掛けて浜松に最新鋭半導体工場を建設したが……。稼動直前になって、インテルが「もう要らん」と。ソフトの高度化でチップがなくても高品質な音が出せるようになったから。
 さあ大変、他のメーカーを当たるも価格面で折り合いが付かず、半導体を供給していたセガなどのゲーム機に掛けたが、プレステとの競争に敗れてこれも駄目。結局工場で何も作るものがないまま、1年後に工場ごと売却。特別損失250億円、リストラ500人というヤマハ最大の危機を招いてしまう……。(インテル詐欺ってる! Intel Insane)

 当時は地獄だったそうですが、ここからどうやって立ち直ったかというと、それは意外な製品がきっかけでした。それは……携帯電話、ガラゲー全盛時代が始まろうとしていたのです。もう皆さんお分かりでしょうが、着メロの需要にFM音源チップがずばり応えられたのです。ある時期のガラゲーは全てFM音源チップ入りといっても過言ではありません。これでV字回復を遂げるのですが、さらに着メロそのものにもヤマハのビジネスが生かせたのですね。これだけで1000億円規模の商売だったらしい。
 この大事件を教訓に、ヤマハはチップの研究設計だけを行い、製造は他社に任せる、いわゆる「ファブレス企業」の走りになりました。また半導体事業は、今はネット回線用ルーター事業に活かされているとか。選択と集中は社是らしいですからね。

 ヤマハの社長がSGギターで「ギュウーン」なんてクランチ系サウンドでコード鳴らしながら登場したり(現社長は楽器プレイヤー)、なかなか楽しい番組でした。たぶん収録場所はヤマハの楽器ショールームだったと思う(笑)。

2021/11/22

新曲MV追加

 「Power Station V」のMVが公開になっています。

2021/11/21

売れる要素とは何か

 何が売れるのか、どうやったら売れるのか、ネット時代→コロナ禍でますます五里霧中の音楽業界ですが。莫大なプロモーション費を掛けても今はもう「それだけ」では売れないってことは、皆様ご存知の通り。(まあその点は昔も同じだが、現代はいよいよその傾向が強い、ゴリ押しって言われちゃうしね)

 それに関連して、某大手レコード会社関連サイトのコンテンツで読んだ話。(なので、たぶん確度は高い…) 誰でも知っているレベルの、ある著名歌手。その人を担当したディレクターかプロデューサーのインタビューだったのですが、実は中々芽が出ず、デビューまで9社も音楽事務所の所属を断られたとか。それで次ようやく決まったのですが、デビュー曲からすぐ売れて大人気、その後紅白に何度も出場するようになった。
 後年のことを知っていると、これだけ売れる要素があるのに……と思ってしまうのですが、デビュー前はまだ磨かれていなかったかもしれないし、断った事務所もたまたま似たような歌手が所属していたのかもしれない。
 しかし9社断られても、あきらめなかったディレクターと作曲家は偉かったんだなあ、というのが正直な感想(もちろんご本人が一番凄いが)。原石とはいえ実力には絶対の自信があったんでしょうね。
 だから売れる要素を見抜くのは本当に難しいし、それができるのは並大抵の眼力の持ち主では無理、ってことでしょう。(そしてしつこく「営業」し続ける根性、粘り強さも必要)

 これで思い出したけど、ビートルズもデビュー前にイギリスの主だったレコード会社のオーディションを、「全て」落ちていますからね(w)。EMIが最後に合格させた、って話が昔は言われたけど、これは嘘で、なんと最初に受けたのがEMI。2周目で受かったというのだから(笑)、マネージャーにEMI側が忖度した可能性もある。(有力レコードチェーンの責任者だったので←リバプールだけで9店)
 これもビートルズの真価を見抜いていたマネのブライアン・エプスタインが偉かったんだなあ、ということですね。

 どうやったら売れるのか、考え続けて行動し続ける者だけが、答えを知ることができる(あるいは知る権利を得られる)ってこともかもしれません。

2021/11/18

「Power Station V」配信開始

 新曲「Power Station V」が配信開始になりました。

蘇る巨大都市のハイパーダイナモ(インスト)

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2021/11/17

演歌は終らない

 現代演歌がムード歌謡や歌謡曲まで取り込んだジャンルになっていることは、以前少し書きました(なんせ後者二つは消えてしまった分野……)。そして演歌自体も、和服姿の歌唱が似合う伝統的な曲から、もっと昭和歌謡なんかに近いもの、お洒落アレンジなものも結構ある。みんな知らないだけで、音楽マニアが聞いても実は面白いんです。演歌歌手の皆さんの歌唱は非常に精緻で、僕らがイメージする「ボーカリスト」「シンガー」に一番近いのは、実はR&B系よりも、現代日本では演歌歌手ではないかと、自分は確信しています。幅広い曲調に対応できるところなんかは、正に。

(昭和の演歌でジャズ系のバックバンドが多かったのは、演歌歌手の精緻で極限の表現力を支えられるのは、テクニカルなジャズミュージシャンしかいなかった、という理由もあったでしょう)

 これだけ面白いジャンルなのに、なぜか時々、いやちょくちょくか、「演歌に親を●されたのか?」って位の人を、年代を問わずに見かけますね(w)。「演歌なんて……」「あんなものもう終り」「消えていく運命」と言いたい放題。
 なんなんですかね(汗)。演歌に彼氏彼女取られた? 演歌聞いたら背が3cm縮んだ? 演歌で金運下がった? きっとどれも違うでしょう。なぜか理由はわかりませんが、イメージだけで演歌を悪く言う人がいることは本当に不思議。

 思うにお笑い芸人が散々ネタにしてきたのと(宣伝にはなるが諸刃の刃)、主に’80年代以降のバラエティで演歌をバカにするのが一種のドグマになってしまって、皆マインドコントロールされているのではないかと。
 ちょうどバブルが始まる位の段階で、音楽も世の中も大きく変わったことは事実なので、その「変わる前」の世界に属する(あるいはミームが色濃い)演歌は、異質で時代遅れのものとして叩かれてしまった。それが、今もいる反演歌リスナーに強く影響しているように思えます。

 もう一度言いますが、現在演歌は(も)良い曲一杯あるよ。20代の歌手も出てきています。一度色眼鏡を外して、まずはサブスクなどで聞いてみることをお勧めします。J-POPにはない失われた歌謡曲の世界も、きっとそこで見つかるはずです。
(昭和歌謡がブームになっているようですが、やはりイマドキの曲にない世界がウケているのでしょう)

2021/11/15

新曲MV追加

 「Flux Tube」のMVを公開しています。

2021/11/13

奏法キースイッチを素早く入力する方法

 また音楽制作者の皆様向けの記事。

 サンプリング音源に必ず付いている、アーティキュレーション(奏法)の切り替えスイッチ。多くは音源の音域外の音程を叩くと該当の奏法に切り替わるようなっていますね。例えばヴァイオリンでC1ならサスティン、D1ならトレモロ……みたいなやつ。
 これ、結構入力が面倒なんですね。スコア派の自分としては、毎回ピアノロールに切り替えて、低い方へスクロールして、音源の画面を見ながらこの奏法はどの音だっけ……なんてやっている。

 噂ではメジャーなDAWにはこれに対応した入力機能を持つものもあるそうだけど、ウチのABILITYには付いていない。それでなんとか素早く入力する方法はないか考えてみた。
 例えばポップス楽曲テンプレートの該当トラックに、最初からいくつか主要キースイッチを入力しておく。最初の小節が望ましい。(トラック例:ストリングス、ブラス等)
 コメントで奏法名を入れておき、これを毎回コピペして使えば時短になる。

 あともうひとつ、MIDIキーボードという文明の利器があるから、こいつで入力するのも速い。該当小節の前に来たら、MIDIレコーディングにしてキーボードをポンと叩く。
 キーボードには手製のオーバーレイを作ってそこに奏法名を書いておくという方法もある(自分はまだそこまではやってないが)。
 いっそA4の紙に書き出しておいてクリアケースに入れておいても良いか。

 いかがでしょうか。自分もまだ試行錯誤中なので、また良い方法があったらシェアしたいと思います。

2021/11/10

「Flux Tube」配信開始

 新曲「Flux Tube」が配信開始になりました。

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2021/11/09

ダイナミックEQの質感

 マルチバンドコンプとダイナミックEQは動作が非常に似ていて、というかほぼ同じと言っていいと思うんだけど、それでも実際に使用してみると、結果としての質感がかなり違いますね。(前者は特定帯域を圧縮する、後者はただゲインを下げる)
 これはサイドチェインで使った場合だが、やっぱりダイナミックEQの方が自然な仕上がりになる。ジグソーパズルをかちっとハメ込んだ感じ、とイメージして頂ければ良いかも。

 といっても、ウチの場合はほぼマルチバンドコンプは使わなくなった。打ち込みで生楽器アンサンブル&バンドサウンドを再現していく音楽制作なので、音圧対策には良いが結果が不自然になりがちなプラグインは、自然と使わなくなりました。
 そもそもちゃんとアレンジすると、2mixで14LUFSくらいの音圧はすぐ出ますからね。フルオケ曲で何もしなくても13-12まで行ってしまうこともある。
 ということで、自ずとこのテのチート(?)プラグインを使う時は、問題の出たミックスを解決する場合になるのだけど、トラックとしては普通に良いが、音域的にどうしても重なってしまう場合。どっちかのパートを動的に抑えないといけない。……こんな時、最近はダイナミックEQにしています。ウチは普通に「Waves F6(RT)」ですね。

 例えば女性コーラスとエレピの白玉。美味しい音域が重なりがちですね。EQで削るのも限界がある。こんな時はサイドチェインでコーラスの信号をエレピのF6に送り、声が出ている時だけ該当音域を動的に3dbくらい削ってやる。非常に自然に溶け込みます。
 これがマルチバンドコンプだとそこまで自然でもない。(まあ好みの領域であることは認めますが)

 しかしF6も操作がなかなか複雑で、うかうかしているとただの静的EQとしてしか動作していない状態になる。あれは動作するとちゃんとモニタラインが「へこっ」と下がるので、目視で確認は必須ですね。

 ダイナミックEQは昔はなかったと思う(手コンプならぬ手EQで下げてたエンジニアもいたかも?w)、こいつはプラグイン時代の文明の利器といえそうです。

2021/11/05

音源の「音痴状態」を直す方法

 フルートの音源を曲の中で使っていたんだが、何度聞いても音程が狂っているように聞こえる箇所があった。イントロなので目立つこと目立つこと。何度スコアやMIDIを確認しても合っているし、どう考えても自分の勘違いではない。
 こんな時は、意外とバックのコード楽器の構成音が一音だけ半音ずれているとか、そんなパターンもある。間違ったコードが鳴っているため単音楽器が外れて聞こえるやつね。しかしこれも違う。ちなみにベースが半音ずれて……ってもあるが、これでもない。
 フルートのパートは後にピッチベンドを使っているので、それがちゃんと0に戻ってないのか……と思ったがこれも違う。

 これはいよいよ音源のサンプルの音程自体を疑わないといけなくなったのだが、さすがにそっちを直接編集は面倒。しかも悪いことにUVIのやつなので、あれは内部弄れないんですね。
 そこでふと思い立った。あ、これもしかしたら「Waves Tune」で修正できるんじゃないかと(w)。(ご存じない方へ、主にボーカルの音程修正に使われるプラグインです)

 で、やってみたのですが、これがずばり効きましたよ。ちゃんと該当部分の音程を譜面通りに修正できて、きれいにイントロが決まりました。ちなみに狂った箇所の音程をプラグイン画面で見ると、かなり暴れて縦線が出てたので、サンプルの音痴ではなく、たぶんレガートエンジン等がバグってるか挙動不審なのでしょう(w)。まあこんなこともある。
 Waves Tuneはボーカルにしか使えないかと思ったら、そんなことはなかった。普通の単音楽器ならたぶん全部イケるんじゃないだろうか。こいつはMelodyne等より音質が良いです。
 ニーズがあるかわからんが、ハーモニーを作ったりビブラートを掛けたり、ってこともボーカルと同様可能なはず。(まあ音源があればそっちで鳴らせばいいが)

 ちなみ、音源出力を直に食わせてリアルタイム音程変更できるプラグインじゃないので、一旦WAVに書き出してからの修正になります。(リアルタイム版は Tune RTというやつで、また別製品。負荷はたぶん高い)

2021/11/01

映画「グリーンブック」観た

 1962年アメリカ・ニューヨーク。有名クラブの用心棒トニーは、店の改装で一時解雇。そんな中、クラシックの黒人天才ピアニスト・シャーリーから依頼され、南部の最深部まで回るツアーに車で同行することに。予想通り酷い人種差別に遭いながら、雇用者・被雇用者の関係を超えて、徐々に友情を深める二人。なぜわざわざ南部で演奏するのか、その目的とは。

 典型的なロードムービーで、なかなか考えさせられる映画でした。これは実話を元にした話だそうですが、シャーリーは高学歴の上流階級、世界的ピアニストでホワイトハウスで何度も演奏したり、実際ケネディの友人でもある。住居はなんとカーネギーホールの上層階で、まさに宮殿(だが離婚して子供もなく孤独)。
 一方トニーはイタリア系で、住居はブロンクス、子供二人と夫婦仲は良く、血縁重視のお国柄らしく、いつも近所の親戚のおじさんおばさん子供が出入りしていて騒々しい。決して裕福ではないし、粗野で学もないが、人情味は溢れている。
 正反対の二人ですが、旅をしていくうちに、実はイタリア系もアメリカ南部では差別の対象であることがわかってきます。字幕だと「このイタ公め」なんて罵られるシーンが2回ある。その度にトニーは相手を殴ってしまうのですが(笑)、これだけ理不尽なら仕方ないな、と納得の展開です。

 結局シャーリーがわざわざ南部を回ったのは、苦難を超えて演奏することで人間力や音楽家の魂に磨きを掛ける目的だったのですが、ツアー最後の最高級レストランのステージで、その後演奏するというのに、黒人であることを理由に飲食を断られ(なんとトイレも使えず)、ブチ切れて契約無視で帰ってしまう。トニーは大慌てで止めるのですが彼の意思は固く……。
(6年前黒人で最初にやってきたナット・キング・コールも、難癖をつけられ客に暴行されたという、曰くつきの場所だった)

 その後二人が入った黒人OKの庶民的なレストランで、R&Bのバンドとシャーリーがジャムセッションするところは最高。ここは映画のハイライトでしょう。

 日本も全然他の国のことは言えませんが、世界的ピアニストを最高級の会場に招待しながら、黒人だからと差別はきっちりするという、本当に理解不能なことがまかり通っていたんだなあ、というのが自分の感想。
 これは1962年の話ですが、今だって残念ながらトランプみたいな奴はいるんだし、まあくわばらくわばらといったところ。(アジア系差別の話もちょっと映画で出てきて、シャーリー邸の使用人がアジア系)

 一体、今のアメリカで黒人音楽を全て止めてしまったら、どれくらい業界的なビジネスが縮小するか。5割では済まないでしょう、7-8割くらいか。ラップなんて独擅場だしね。ジャズ、R&B、ブラコンに限らず、少なくともポピュラー音楽は全て黒人音楽の影響下にあるといっても過言でない。ちょっと音楽理論を勉強するとすぐジャズの語法が出てきますしね。
 きっと差別や社会問題は、つかず離れず、考え続けることが大切、なんでしょうね。

10/15 配信開始「Snow Breaker」/ Brick Geist

疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ 「Snow Breaker」/ Brick Geist  作曲:弦央昭良  編曲:弦央昭良 Release Date:2024/10/15 JASRAC作品コード:307-0651-3     #テクノポッ...