前回の記事で思い出したこと。
現代のボーカルミックスの必需品である、音程/リズム修正プラグインですが、よく言われるように、若干の音質変化(劣化)があるんですね。といってもそれほど各社のものを比較したわけじゃないが。
ProToolsにオマケでCelemonyのMelodyneが入っていたので試用してみたんですね。リズム補正も一緒にできるし、挿しっぱなしでも直したいところだけ補正できるし(Waves Tuneは全部自動補正してしまう)、なかなか良いなあと思っていたが、なぜか違和感があるわけです。
もしやと思ってON/OFF時の音質を比較してみたら、結構なレベルで音質変化しちゃってる。具体的にいうと、透明感が落ちて粒子の粗いざらつきみたいものがデータに載ってしまう感じ。一応、意識しながら注意深く聞いたときの話です。
これ、最近の音圧バカ上げの曲によくあるボーカルトラックの荒れた音質の感じと、まさに同じ。たぶんメロダイン掛けてぱっつんぱっつんコンプ通すとああなるんでしょう。(コンプはアラも拡大しちゃうから)
まあ、顕著な音質変化を伴なうプラグインを挿せば(真空管コンプやらテープディレイやら)、どうせ判別できない変化ではあるんでしょうが……。
たぶんメロダインも、不用な箇所ではOFFにしておいた方が良いと思う。ここぞという時だけONにして補正をする方式。
うちはWaves Tuneではそうしてます。前述のようにボーカリストの微妙な音程表現も強制的に正規化(補正)しちゃうんで、実につまらないトラックになってしまいます。だからここはあきらかに音を外してるな、という箇所だけONにして直してます。
(Dew Ridge Recordsリリースのボーカル曲は、ほとんど直すところがない、というのが実態ですが)
ちなみ、Tuneも集中して聞くと、2-3%くらいは透明度が落ちる感じはあるが、言われなければ絶対わからない音質変化と感じます。ブラインドテストで当てる自信はない。リズム補正はできないが、音質の部分ではかなりベストの選択だと思う。
(と言っていたら、まさかのWavesサブスク化開始。ただウチは最近Tune以外はあんまり依存してないが。ProToolsは結構プラグイン揃っているので…)