2024/10/18

映画『メイキング・オブ・モータウン』観た

  世界的に名高いR&Bの名レーベル「モータウン・レコード」の正史を、創業者二人の証言を中心に構成したドキュメント映画。ベリー・ゴーディは実業家(個人事業主)で、親族のツテで作曲の仕事もしていた。そして出会ったのが新人アーティストのスモーキー・ロビンソン。ベリーがスモーキーに曲を書き、運よく小ヒットしたが、契約レーベルからベリーに払われた印税はわずか3ドル50セント。黒人には未払い・ピンハネが横行していた。
 そこで、どうせなら自分たちでレーベルを作ってしまおうと意気投合し、ここから黒人の黒人による黒人のためのレーベルが誕生した(リスナーは白人も山ほどいたが)。

 2019年の映画で、ベイリー89歳、ロビンソン79歳と高齢ですが、それぞれ70歳・60歳前後にしか見えません。エネルギッシュなベイリーは喋り出すともう50歳くらいの雰囲気。スモーキーは男性から見ても上品なセクシーさがあって驚き。(現在もご両名存命です)

 業界的に面白かった点を過剰書き。

・レコーディング後シングルを出すかどうかは、モータウン主要メンバー会議の多数決で決めた。創業者も1票しかもたない民主的な場。事務方も歌手や作曲家が多かったので、これが結果的にとても上手く機能した。

・初期~中期の社屋は、ほんとに住宅街の一軒屋。一階がスタジオと事務所で、二階にベリーが住んだ。その後回りの家を次々に購入したが、それでも足りなくなり、中期以降自社ビルに移った。

・最初のレコーダーはモノだった。ステレオになった時、ハイテクになったとベリーは喜び、増えたチャンネルに歌手の歌を入れたそう。

・当時(1959年)のデトロイトは製造業が最高潮で景気が良く、周辺からどんどん若者がやってくる活気ある街だった。その時流にも乗った。

・NYの歌手がモータウンに憧れデトロイトでレコーディングしたが、同じ音が出ず失望して帰っていった。当時は社屋の2階のバスルームがエコーチャンバーで、これがサウンドの秘密だったそう😆

・レーベルの座付きバンドはジャズミュージシャン出身。ジャズはアメリカでも仕事が少なかったという。

・ベリーはレーベル設立前ジャズ専門レコードショップをやっていたが、デトロイトの客にはブルースの方が売れると気付いた時には手遅れで閉店。リスナーが求めるものを考えるきっかけになった。

・中期以降は、作家チームの独立(かなりピンハネされていたらしい💧)と訴訟沙汰、育ったアーティストの独立が相次ぎ、この後はあまり語られていない。ハリウッドの映画製作にも乗り出し、そのため会社はLAに引っ越した。デトロイトが暴動で火の海になるのはその後。

・モータウンのツアーで南部最深部を訪れた時、ツアーバスに銃弾が4発打ち込まれた。幸い被害はなかったが、ガソリンタンクの数インチ横に命中。(なんで南部はこうなのか?涙出たよ)

 オーディションでジャクソン5の幼いマイケルがムーンウォークしていたり、スティービーワンダーの声変わり前の歌唱やら、貴重なフィルムも山のように挿入されています。アマゾンプライムで見られるので、ご興味のある方は是非。

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