2024/10/01

YMOのアルバムから学ぶもの

   80年代にリリースされたYMOのオリジナルアルバム、全曲おさらいリスニング終了。スタジオ録音盤の楽曲は全て聞いた。
 ここまで聞いて思うのは、お三方は音楽家として本当にヒネているということ。😓 とにかく世間から期待されていることをしない(ように思える)。ぶっちゃけ大ヒットした2枚目の「ソリッド・ステート・サバイヴァー」と同じ路線なら、確実に3匹目のドジョウまではいるわけですよ。でもそうはしない。もちろん同じことをやり続けるのは、先鋭的なミュージシャンには往々にして苦痛なわけで、常に新しいものを作る方を選んだわけですね。
 とはいえ、少しはファンサービスということも普通は(商業音楽なので)考えるわけで、それをほぼ拒否しているようにみえる。😅

 これが許されたのは、YMOというスーパーグループだからこそだし、当時のA社プロデューサー両氏にやりたい放題させる度量があったからでしょうね。
 1981年の「BGM」なんか、あきらかに90年代っぽいテイストがある。10年先の音楽を作っていたといえそうです。
 さらにこのあたりは、テクノポップというより「テクノ」っぽい。だから本当に時代を先取りしていたんだなあと思います。

 そして解散(散解)が内部的に決まって、出したのが「浮気なぼくら」(1983)。これでいきなり、ストイックなテクノから、テクノポップを超えたテクノ歌謡までいってしまった。
 当時の自分の反応は、「いきなりなんてことを始めたんだ? でもらしいなあ」でした。世間の反応も驚かれはしても、YMOならこれくらいはやる……という「想定内」だったと思います。で、「君に、胸キュン。」がまた大ヒットしちゃうんだよね。この曲で歌番組にも出てましたが、お三方がなんだか少しはにかみながら歌っているのが面白く、明らかにそこまで計算してやってますからね。
 やっぱり80年代音楽の巨大な台風の中心だったと思います。
 意外なことに、83年にはもうラストのスタジオ盤「サーヴィス」を出しています。イメージとしては80年代はずっと存在してたように思えるんだけど、メンバーが全員売れてYMO以外でも出ずっぱりだったから、そう思えるんだと気付いた。

 今回気付いたのは、YMOのボーカル曲はほとんどが声にエフェクトを深く掛けていて、どちらかというと雰囲気ボーカル、インスト曲の範疇に入るといっても間違いではなさそうです。
 またソリッドステート~以降のアルバムで、今で言うサチュレーションを意識した音作りをしているらしきものがある。(ボヤッとしててスマン)。シンセサイズに加えて、スタジオでのミックスでも色々なチャレンジをしていたことが見てとれます。
 それにしても異常な売れ方で中期以降はアルバム制作に時間が取れなくなっていたようで、そのあたりは聞いてみるとわかりますね。1・2枚目とは明らかに楽曲の成り立ちが違う。

 シンセインスト曲は自己満足になりがちだけど、商業音楽ならどこまでやらないといけないか、逆にやりすぎ(考えすぎ)も弊害があるし、そのあたりはもう見事なお手本(リファレンス)がここにあるといえそうです。

11/18 新曲「オールドソングス」/ Tombo

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