電子弦楽、夢幻に満ちて…。大聖堂で彼女を待つ者は? エレクトロニカ・ファンタジー!
「ステンドグラス」/ rina
作詞:弦央昭良
作曲:弦央昭良
編曲:弦央昭良
Release Date:2024/07/29
JASRAC作品コード:304-2416-0
#AOR #エレクトロニカ #シンセポップ
たまには楽曲制作話を書いてみる。
まもなくリリースの曲「ステンドグラス / rina」で試したこと。
・カセットテープをサチュレータ代わりに使用
特定パートをカセットに録音して、それをまたDAWに録音、サチュレーションを付加する。プラグインでは絶対出せない味が出る。
今回はシンセドラムのパートを処理。最初は全ドラムパートパラでやろうかと思ったが、ウチのProToolsが32トラックなので、ドラムバスだけに変更。そこでローファイのドラムアンビエンス扱いにした。クリア過ぎる音のマイルド化を図った。
4分ほどの曲で、ラジカセに録音して再生すると、数秒もズレが発生するのには参った。ラジカセのテープスピードが正確じゃないんですね。Audioトラックの伸長機能で乗り切った。
・楽曲中のギミックでトラックの逆回転
これもテープに録音したものを、DAWのAudio処理でリバースにして対応した。全パートだと音のダメージがはっきりわかって面白い。
・ムーグ(敢えてw)の本格多重録音
Moog Mother-32を20回重ねて、弦楽セクションを構築。といっても5声のパートなので1声部につき4回。重ねる前の音は、バイオリンでもない、少し不安定な音。こうしないと多重録音後ストリングスに聞こえない。
クレッシェンド、デクレッシェンドなどはミックス時に対応。
録音時は専用セッションファイルで作業、5声部までにトラックダウンして、バウンスファイルを本体セッションファイルに持っていった。
この方式で結構素早く作業ができるのがわかったので、今後出番が増えそう。
アナログシンセの多重録音は、まだかなりの可能性がある分野に思えます。昔はオープンリールテープレコーダーで扱いが大変だったんだけど、今はDAWなので。
◆7/29 配信予定の新曲です。
「ステンドグラス / rina」
電子弦楽、夢幻に満ちて…。大聖堂で彼女を待つ者は? エレクトロニカ・ファンタジー!
作詞:弦央昭良
作曲:弦央昭良
編曲:弦央昭良
Release Date:2024/07/29
JASRAC作品コード:304-2416-0
#AOR #エレクトロニカ #シンセポップ
「ダブル・ブラスト / +Kaise」
ロック&BLAST! 二刀流 の戦士へ
こちらの曲がJOYSOUNDのカラオケで歌えるようになりました。
歌えるお店検索と、キョクナビの操作法は以下の通りです。
#応援歌 #EDM #ROCK
DEW RIDGE RECORDSのYourube公式チャンネルで、これまで中途半端な状態だった動画のタイトルをつけ直して、ひと通り手を入れました。これで全体的にわかりやすくなった。
うちの場合、チャンネルは楽曲のショーケースとして使う。Webサイトには著作権管理の関係で置けないので、包括契約のある場所に保存するしかない。(ニコニコ動画系は大変なことになってしまっていますが、果たして復旧後もうまく稼動するのか心配。関係者の奮起期待です)
ところで、最近のYoutubeですが、“一般的な単語”で検索しても、ほとんどの動画が無視されて、再生回数上位の動画しか出てこなくなってますね。例えば「フリーBGM」で検索しても、数十万~とかの動画しか出ない。あまりに動画数が多すぎて、検索が対応できないからでしょう。これは新規参入組にはかなりつらい。先行逃げ切りで勝者総取りのアルゴリズムになっています。
そこでウチはフリーBGMとかの単語は全て削って、dewridge-records.comから、配信リンクなどと一緒に動画を指す形式にした。動画の説明欄にクドクド書いても、検索でユーザーが来ないんだから仕方ないもんね。
またサイトでフリー利用の条件なども掲載しています。これでシステム的にもすっきりした。
時代や状況に合わせて、こういうサイト運営もどんどん形態を変えていかないと駄目なようです。
とりあえず、一個カタチができたので、これで楽曲リリースも腰を据えて出来ます。
1980年発表の、ザ・バグルス「ラジオスターの悲劇」(Video Killed the Radio Star)という曲があります。僕ら世代あたりの諸氏は全員ご存知でしょう。日本でも世界でも大ヒット、シンセや女性コーラスを取り入れたポップなサウンドと、ラジオボイス加工のトレヴァー・ホーンのボーカルも印象的な、メロディアスな楽しい曲です。
(イギリスでは1位だったが、アメリカは40位だったそうで意外)
この曲は、実はミュージックビデオ番組「MTV」が初めて流した曲だった……という話を、前回書いた映画「素晴らしき映画音楽たち」で知りました。皮肉というか、なんともアイコニックな出来事だったんですね。
そしてもうひとつ、このビデオクリップに、意外な作曲家が出演していたという事実。今や世界的な……。前回を憶えている方はもうわかったと思いますが、ハンス・ジマーなんですよ。
なぜか自分の反応は「うわーっ」だったんですね(w)。意外すぎるというかなんというか……。映画でそのシーンが流れていましたが、今と違ってスリムな青年で、言われなきゃ絶対わからない。(現状随分貫禄付いちゃったから…)
クリップの後半で、2ndキーボードとして登場します。なんとバックにそそり立っているモジュラーシンセは、moogじゃなくてRolandのSystem700ですね。(欧州で売れたというのは本当だったんだな) その前にはコンパクトなSytem100mがあって、そのキーボードを弾いてます。まあSystem700は一本もパッチされてないから、音出ないが)
それでも嘘かもしれないと思って、Youtubeで「ラジオスターの悲劇」のクリップを見たら、確かにそのシーンありました。コメント欄でジマー出演を書いている人がいて、やっぱり悲鳴が上がっている(w)。なんだろこれ、別に黒歴史じゃないはずだけどね、むしろ超有名曲だから栄誉…。
映画の中でこのことをバクロしてた業界のオジサンも、あの人昔こんなことしてたんだぜーみたいな、半笑いでコメントしてたから、やっぱり海外でも意外で面白いと思われているんでしょう。いやー人に歴史あり、それにしてもよりによってラジオスターの悲劇とは、なんとも強運をお持ちですね。
この曲からすっかり売れっ子になったトレヴァー・ホーンも現役らしく、最近のライブがYoutubeでたくさん出てきます。80年代のアーティストがまだ頑張っているのは僕らも心強い限りです。(この人はプロデューサーとしての活躍の方がデカいようです)
映画「素晴らしき映画音楽たち」を見たら、内容はドキュメンタリーで、世界の一流作曲家が多数登場してた。あまり期待してなかったが、実際大した映画じゃなかった(w)。ただ面白いことがいくつかわかったので、書いてみます。
このテの映画でよくある、多数のインタビューを細切れに組み合わせて、なんとなく雰囲気で映画音楽の制作現場をわからせてくれるというスタイル。なので骨太な感じは微塵もなく、エピソードの寄せ集め。以下箇条書き。
・ジョン・ウィリアムズはジャズピアニスト出身。今はもちろん業界では誰もが賞賛する大作家。(「E.T」の楽曲アイディアをピアノでスピルバーグに説明する当時映像が流れてた)。
・映画音楽の歴史は、生のオケから始まり、ラテンにジャズにロックと様々な音楽スタイルやバンド様式が、その都度導入され革新が起こされてきた。
・その後、再び映画音楽にフルオケを復権させたのがウィリアムズだそう
・楽器以外の音ネタも現代では多数使われる(効果音でなく楽曲内で)。ある作曲家は、家3件分の音ネタ・民族楽器・トイ楽器などを持っている。一杯になると全部捨てて、また一から買い直すとか
・監督や制作側との打ち合わせは、意外にも最初に一回だけらしい。その時の要望やフィーリングを元に、作曲家は一人で音楽を作り上げていく
・依頼の電話が来ると飛び上がって喜ぶが、打ち合わせ後一人になると、いつも逃げ出したくなる(ハンス・ジマ-談)。
・生オケ映画音楽収録のための世界の三大スタジオは、ロスのFOXスタジオ、ロンドンのAIRスタジオ、アビーロードの第一スタジオ。FOXは力強い音に、後者2つは柔らかい音になる。どのスタジオも音響が抜群に良い。
・AIRスタジオは古い教会をジョージ・マーティンが買い取ってスタジオに改装した。時々幽霊が出るらしい。怖がりなエンジニアには不向き(w)。
・オケの指揮が出来る作曲家でも、敢えてコントロールルームに残る人は結構いる。監督から直接反応を聞きたいから。
・オケのメンバーは全員(楽譜を)初見で弾きこなす。
・映画公開2週間前に、レコーディングが終ってないことが結構ある
・こうして生オケのトラックを納品したあとも、どうやら映画会社側でまだミキサーがマルチトラックでミックス作業をするらしい。ここで特定パートを上げ下げして、映画にあったミックスにする(この工程、作曲家も監督もアンタッチャブル)。
こんな感じです。
あと、ハンス・ジマーについて衝撃の事実が判明したが、それはまた今度。(この業界では今、ウィリアムズに次ぐ地位の人という評価)
いま、ただひとつの想いを伝えたくて――。CARPENTERSに捧ぐ 「オールドソングス」/ Tombo 作詞:弦央昭良 作曲:弦央昭良 編曲:弦央昭良 Release Date:2024/11/18 JASRAC作品コード:307-0643-2...