映画「素晴らしき映画音楽たち」を見たら、内容はドキュメンタリーで、世界の一流作曲家が多数登場してた。あまり期待してなかったが、実際大した映画じゃなかった(w)。ただ面白いことがいくつかわかったので、書いてみます。
このテの映画でよくある、多数のインタビューを細切れに組み合わせて、なんとなく雰囲気で映画音楽の制作現場をわからせてくれるというスタイル。なので骨太な感じは微塵もなく、エピソードの寄せ集め。以下箇条書き。
・ジョン・ウィリアムズはジャズピアニスト出身。今はもちろん業界では誰もが賞賛する大作家。(「E.T」の楽曲アイディアをピアノでスピルバーグに説明する当時映像が流れてた)。
・映画音楽の歴史は、生のオケから始まり、ラテンにジャズにロックと様々な音楽スタイルやバンド様式が、その都度導入され革新が起こされてきた。
・その後、再び映画音楽にフルオケを復権させたのがウィリアムズだそう
・楽器以外の音ネタも現代では多数使われる(効果音でなく楽曲内で)。ある作曲家は、家3件分の音ネタ・民族楽器・トイ楽器などを持っている。一杯になると全部捨てて、また一から買い直すとか
・監督や制作側との打ち合わせは、意外にも最初に一回だけらしい。その時の要望やフィーリングを元に、作曲家は一人で音楽を作り上げていく
・依頼の電話が来ると飛び上がって喜ぶが、打ち合わせ後一人になると、いつも逃げ出したくなる(ハンス・ジマ-談)。
・生オケ映画音楽収録のための世界の三大スタジオは、ロスのFOXスタジオ、ロンドンのAIRスタジオ、アビーロードの第一スタジオ。FOXは力強い音に、後者2つは柔らかい音になる。どのスタジオも音響が抜群に良い。
・AIRスタジオは古い教会をジョージ・マーティンが買い取ってスタジオに改装した。時々幽霊が出るらしい。怖がりなエンジニアには不向き(w)。
・オケの指揮が出来る作曲家でも、敢えてコントロールルームに残る人は結構いる。監督から直接反応を聞きたいから。
・オケのメンバーは全員(楽譜を)初見で弾きこなす。
・映画公開2週間前に、レコーディングが終ってないことが結構ある
・こうして生オケのトラックを納品したあとも、どうやら映画会社側でまだミキサーがマルチトラックでミックス作業をするらしい。ここで特定パートを上げ下げして、映画にあったミックスにする(この工程、作曲家も監督もアンタッチャブル)。
こんな感じです。
あと、ハンス・ジマーについて衝撃の事実が判明したが、それはまた今度。(この業界では今、ウィリアムズに次ぐ地位の人という評価)