2024/07/26

楽曲制作話

 たまには楽曲制作話を書いてみる。
 まもなくリリースの曲「ステンドグラス / rina」で試したこと。

・カセットテープをサチュレータ代わりに使用

 特定パートをカセットに録音して、それをまたDAWに録音、サチュレーションを付加する。プラグインでは絶対出せない味が出る。

 今回はシンセドラムのパートを処理。最初は全ドラムパートパラでやろうかと思ったが、ウチのProToolsが32トラックなので、ドラムバスだけに変更。そこでローファイのドラムアンビエンス扱いにした。クリア過ぎる音のマイルド化を図った。

 4分ほどの曲で、ラジカセに録音して再生すると、数秒もズレが発生するのには参った。ラジカセのテープスピードが正確じゃないんですね。Audioトラックの伸長機能で乗り切った。

・楽曲中のギミックでトラックの逆回転

 これもテープに録音したものを、DAWのAudio処理でリバースにして対応した。全パートだと音のダメージがはっきりわかって面白い。

・ムーグ(敢えてw)の本格多重録音

 Moog Mother-32を20回重ねて、弦楽セクションを構築。といっても5声のパートなので1声部につき4回。重ねる前の音は、バイオリンでもない、少し不安定な音。こうしないと多重録音後ストリングスに聞こえない。
 クレッシェンド、デクレッシェンドなどはミックス時に対応。
 録音時は専用セッションファイルで作業、5声部までにトラックダウンして、バウンスファイルを本体セッションファイルに持っていった。
 この方式で結構素早く作業ができるのがわかったので、今後出番が増えそう。

 アナログシンセの多重録音は、まだかなりの可能性がある分野に思えます。昔はオープンリールテープレコーダーで扱いが大変だったんだけど、今はDAWなので。

9/20 配信開始「ふわり」/ まいみぃ

ノイズに埋もれゆく君の手触り、きっと取り戻すから――。シンセポップ・ロマンス   ふわり / まいみぃ  作詞:弦央昭良  作曲:弦央昭良  編曲:弦央昭良 Release Date:2024/09/20 JASRAC作品コード:305-9357-3 #AOR #...