たまには楽曲制作話を書いてみる。
まもなくリリースの曲「ステンドグラス / rina」で試したこと。
・カセットテープをサチュレータ代わりに使用
特定パートをカセットに録音して、それをまたDAWに録音、サチュレーションを付加する。プラグインでは絶対出せない味が出る。
今回はシンセドラムのパートを処理。最初は全ドラムパートパラでやろうかと思ったが、ウチのProToolsが32トラックなので、ドラムバスだけに変更。そこでローファイのドラムアンビエンス扱いにした。クリア過ぎる音のマイルド化を図った。
4分ほどの曲で、ラジカセに録音して再生すると、数秒もズレが発生するのには参った。ラジカセのテープスピードが正確じゃないんですね。Audioトラックの伸長機能で乗り切った。
・楽曲中のギミックでトラックの逆回転
これもテープに録音したものを、DAWのAudio処理でリバースにして対応した。全パートだと音のダメージがはっきりわかって面白い。
・ムーグ(敢えてw)の本格多重録音
Moog Mother-32を20回重ねて、弦楽セクションを構築。といっても5声のパートなので1声部につき4回。重ねる前の音は、バイオリンでもない、少し不安定な音。こうしないと多重録音後ストリングスに聞こえない。
クレッシェンド、デクレッシェンドなどはミックス時に対応。
録音時は専用セッションファイルで作業、5声部までにトラックダウンして、バウンスファイルを本体セッションファイルに持っていった。
この方式で結構素早く作業ができるのがわかったので、今後出番が増えそう。
アナログシンセの多重録音は、まだかなりの可能性がある分野に思えます。昔はオープンリールテープレコーダーで扱いが大変だったんだけど、今はDAWなので。