なぜか合わないこの音――それはあなたが決めないから。
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新しいシンセモジュールをシステムに追加。
ノイズジェネレーター、リングモジュレーター、そしてLFOとS/Hがワンユニットに入っている。これで完全に往年のアナログシンセの構成になりました。(最近のソフトシンセのアナログ再現系なんかは、サンプルホールドはなかなか入っていない)
現在のシステム構成は、VCOx4 VCFx2 VCAx2 ENVx2 LFOx2で、なかなか面白い組み合わせだと思っています。
これでもし自分が完全アナログ主義者なら、シーケンサーモジュールを追加してミニマムミュージックを始めちゃうんだろうけど、弊社は商業制作に活かすという絶対的なテーマがありますので。むろん、MIDI-CVコンバーターもシステムに入っています。
ベリンガーのCM1Aなので、2チャンネル分のCV/GATEを出せる。(ということは、2音ポリフォニックにもできるってこと)
もっとも、まだ制作にどう組み込んでいくかは試行錯誤の状態です。(もう使っている曲あるけど)
案外、このベリシリーズ100はパッド系の音が良いんですね。だからそこは多重録音で凌ぐってことになる。
悩みの種としては、モジュラーを触っていると30分1時間があっという間に経ってしまうこと(w)。なんとか触り過ぎないようにしている。
自分でも意外に思ったのは、モジュラー導入して以来、「ホームに還ってきた」という気持ちが強くなっていること。自分の音楽体験の始まりはアナログシンセでしたので。
あと、なんだか永らく失っていたものを、取り戻してしまった…という感じもする。失っていたことすら気付いていなかったもの。なんでしょうねこれは。
十代と頃の気持ちと、こんな歳になって再び向き合っている。今は昔と違って楽曲を作れるようになっているので、懐かしいというのは違うし、新しいものを作っていこうという意識は横溢している。
モジュラーに実用性はない(低い)んですけどね。そこを強引に実用にしていく所存。
1982年の映画「ブレードランナー」の続編。2017年公開なので、なんと35年越しの続きになります。カルト的人気を誇った前作を見ていないと、たぶんこれだけでは意味不明のはず。人間と見分けがつかないレプリカント(生体アンドロイド)が多数暮らす世界で、脱走者を「処分」する捜査官を視点人物に据えた点では同じです。
(たまにはネタバレせずに書いてみる)
この35年の時間の流れが(いい意味で)感じられる続編で、久々に考えさせられる映画でした。映像は徹底的に退廃的ではあるものの、奇妙に静かで美しい。退廃のもつ暴力性・暗い自己主張みたいなものは感じられない。むしろ静かに朽ち始めている廃墟、遺跡の中でじりじりと破滅に向けて暮らしているような、そんな世界(観)の映像でした。
考えてみれば、35年前のブレードランナーは、退廃的ではあるものの、非常に猥雑で混沌のエネルギーに満ちた世界でした。あれは、今にして思えばバブル経済の世界を反映していたんですね、そうとしか言いようがない。(ちょうど同時期のアニメ「コブラ」の宇宙都市描写と相似形)
この2049の映像は、だからラストベルト(錆付いたアメリカの工業都市群)とか、何かが終ってしまった「あと」で呆然と暮らしているような、現在の世相や世界の様相を強く反映したものといえそうです。ポスト・ポストモダンといえるかもしれません。
興味深いのは、何度も形を変えて虚像(偽物)と実体(本物)の対比が描かれること。それは仮想とリアルの対比でもあるし、レプリカントと人間の対比でもある。
主人公(レプリカント)はAI立体映像の女性パートナーと暮らしているのですが、彼女は愛を囁き、彼も愛を囁くものの、どこか心の底では醒めていて、それがプログラム(=虚像)の働きに過ぎないことを把握している。多分、人間への憧れからの、いわば恋人ごっこ。そのあたりも哀しい。あるいは人間に飼われている自分をシニカルに意識した戯れか。
前作の主人公デッカード(人間)と恋人レイチェル(レプリカント)が、世界の趨勢に影響を与えるようなものを残していたことがわかります。その辺りの謎解きを縦糸に物語は進んでいきます。
本作の主人公は、最後に(最後にも)とても人間的な行いをして目を閉じますが、彼はそれで人間に「なれた」のだろうか。そうであってほしい、と願っています。
モジュラーシンセのVCA出力から標準TSケーブルでオーディオI/Fに繋げているって、少し前書いたが、そこに乗るノイズの話。
お恥ずかしい話だが、2chのうち片チャンネルは本当にシンセから極々わずか音が出ていたことが判明した(w)。ベリンガーseries100のVCAにはイニシャルゲインのツマミがあるんですね、これを上げると、別段CVにADSRを突っ込まなくても音が鳴りっぱなしになる。これがほんの少し上がっていた。ミキサー音量MAXでようやく聞こえるレベル。
ただ、これを切ってもやっぱり少しミキサー画面で少しノイズが来ているのがわかる。
ここで、ラックマウントタイプのコンプレッサー/リミッターを買ってあったのを思い出した。ヤマハの古いやつですが、こいつはちょうど2chでノイズゲートが付いている。
それで、実家から持ってきてオーディオI/FとVCAの間に繋げてみたわけですよ(TS接続)。非常に上手くいって、ちゃんとゲートでノイズを退治できたわけです。
ただここで問題が。お察しの通り、やっぱり直接接続に比べて音が変わっちゃうんだなあ。コンプを切ってもそうだし、ONにしたら尚更。若干ハイ落ちするし、中低域が丸まった感じになる。もともとギターやキーボード用の機材で、エフェクトチェーンの最終段でアンプ・ミキサー保護用に入れるような用途のやつなので、そこは仕方ない。
で、外したり、直接にしたり、色々試していたんですよ。すると……なぜか、直接接続なのにいつの間にかノイズが消えている!? これはどういうことか……。
どうも、TSケーブルの取り回しが変わったため、ノイズ発生源から遠くなり、ノイズを拾わなくなったらしい(w)。確かにACアダプタとかパソコンとか、そういうものの近くを最初通ってました。
それで、結局コンプはもういいか、と思い始めたんだが。ただ、やはり直接接続だと何かの拍子にノイズが入る状態になりがちなので、まだ迷っています。
何かを挟めば、音が多少変わるのは仕方ないといえば仕方ない。昔のBOSSのアナログエフェクター(ペダル)でも、電子スイッチだったので音が痩せる、って問題がありましたね。
(ちなみ、例えノイズが入っても録音後にノイズゲートプラグインや波形編集で消すことは可能)
なぜか合わないこの音――それはあなたが決めないから。
「ファイン・チューニング」
http://dewridge-records.official.jp/artists/rina.html#022
記事に物騒なタイトルを付けましたが、業界では結構あるようです。お金を持ち逃げされた……って話。先日書いた矢沢永吉さんの話も大きく括れば持ち逃げされた事件だし(35億)、そこまでいかなくても、芸能ニュースやアーティストの過去話でちょくちょく見かけます。
先日、「たま」の石川浩司さん(ランニングシャツの方)のインタビューをヤフーニュースで読んだんだけど、その中でやっぱりインタビュアーが事務所の持ち逃げの話を振ってました。石川さんは直接答えてないけど、否定しないってことは、やっぱりそういうことがあったんだろう、と。たまの場合、いきなりメチャ売れで大金→目が眩んだパターンかもしれません。(*)
現在静養中の某有名アイドルも過去にそういうことがあったらしいし、よっぽど気をつけていないとダメなんだろうな、と思う。(まあ、業界だけでなく、普通の仕事でも表沙汰になるかは別として、そういうことはありますが…。取り込み詐欺、計画倒産だってある)
持ち逃げとはちょっと違うが、テイラー・スウィフトの過去アルバム6枚の原盤権(映像等含む)も、3億ドルだかで昔のプロデューサーに転売されてしまったんですね、ファンドに。額が桁違いで驚きですが、怒ったテイラー・スウィフトは、過去曲を再レコーディングして発売、ファンには昔のアルバムを買うなと呼びかけるという……。楽曲の著作権はアーティストが持っていたからできることですね。(原盤権は録音物に対して発生する)
業界は一発当てたあとも苦労が絶えないようです。読者諸兄もどうかお気をつけになって下さい。
(*) 記事を読み返してみたら、たまの稼ぎが他に流れていた…という点は認識してたというお答えでした。
宅録ホームスタジオオーナーは、環境・機材がそれぞれ違うから、あんまり他人の話は参考にならないかもしれないが、弊社の話をちょっと書いてみます。
弊社はマイクによる録音作業が今のところ発生しないので(ボーカルは全て外注)、小規模なシステムで、オーディオI/Fは「RME Babyface Pro FS」です。こいつは新書大のサイズの筐体に高機能、ただあまりの小ささに入出力がすぐ不足するかと危惧していたが、今のところ間に合っている。
メインのXLR入力L/Rには、Roland FA-06からのオーディオを繋いでいる。FA-06には本体にAUX入力があるんですね。ここにTR-8を繋ぎ、更にTR-8のエクステンド入力にも他の機器を突っ込んでいる。いわゆる数珠つなぎ。
これでミキサーなしでハード3台を鳴らせるのだからなかなか便利。MIDIはUSBで繋いでいるが、TR-8だけはそこからオーディオもパラで録れる。
先頃導入したベリンガーのモジュラーシンセは、VCAが2台体制なので、そこの出力をBabyfaceの標準ジャック(TS)入力2本に突っ込んでいる。
なんとかギリでミキサーを導入しないで済んでいて、これでBabayfaceのアナログ入力は埋まった格好。
しかし、モジュラーからの入力2本に、耳では聞こえないがミキサー画面でしっかり確認できるレベルのノイズが乗るのにはマイッタ。TSケーブルが原因です。やはり最低限TSRでないとノイズに弱い。
これを避けるならミキサー導入コースになるが、スペースがないなあ。
BabayfaceはADATにも対応していて、対応する機器を取り付ければ、自動的に6ch分入出力が拡張されるんですね。文明は進んでいるな。で、ベリンガーで3万円台の8chADATマイクプリがあるらしい。これを繋げば、ハードのミキサーなしで拡張終了。
ただしそっちに繋いだ機器は、当然ベリのA/Dの音になりますが。コンパクトだし、魅力的ではある。
まあスモールスタジオの機器拡張を考えるのも楽しいもんです。
8/16に配信開始の「粉雪の海/Mayumi」の歌唱ビデオが公開されました。
他にも以下のチャンネルでカバー曲を中心に多数公開されています。ぜひどうぞ。
Mayumi – Official Channel
https://www.youtube.com/c/Mayumi500
アマプラで出てきた懐かしいコメディ映画。てっきり70年代かと思ってたが1981年だった、アメリカ大陸を縦断する違法公道レースの話。レース自体の駆け引きというより、参加者のキャラの濃さが売りになっている。
主演バート・レイノルズ。この頃の違法レース物といえばこの人(w)。先頃の「ラスト・ムービースター」では老いたスター役で主演して、当時のドタバタもネタにしてました。あとジャッキー・チェン、マイケル・ホイ、サミーデービスJr、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセットも出てくる。
まあ、今でいえばコンプライアンスなり、差別表現なりで完全にアウトな表現やギャグもあり、当時は牧歌的だったんだなあ、という変な笑いも楽しめます。
まあなんといってもロジャー・ムーアの役がヒドイ。ロジャームーア似が自慢の大金持ち役を本人がやっている。ショーン・コネリーから2代目ジェームズボンドを引き継いだ人で、比較して色々言われていた時期。劇中オレは有名な俳優で……と自慢するものの、「誰?」と言われたり「知らん」で殴られたりする(弱い)。美女をエスコートしてボンドカーで参加してるんだけど、最後に他の役者と間違われていたと知り、なんともやるせない虚無な表情になります。洒落にならん、仕事選びなよ。(でもこの人のボンド映画は面白かったですね)
ラストで自分がボンドカーの排出ガジェットで吹っ飛びます。よく引き受けたな。
で、このボンドカーのシーンで、「007のテーマ」……とそっくりだがギリでアウトの音楽が流れるのですが、これが一番面白かった。普通はギリセーフで作るだろ、っていう。当時は映画音楽のほうもユルかったのか。これ今だったら絶対無理だろうと思う。今観ると80年代初頭の楽天的なアメリカの雰囲気が、濃厚に感じられる映画でした。
ふと思い立って、いつかは……と思っていたモジュラーシンセを揃えた。(自分はもういい歳だから、これ以上先延ばししてもいいことはない 汗)
ベリンガーのシステム100シリーズです。こんなやつ。
完全なアナログシンセサイザーで、80年代頃に出ていたRoland System100mのクローンです。(電子回路の保護期間は切れているので、権利的にはホワイト)
ユーロラック規格で作られており、任意のモジュールを組み合わせて好みの構成にすることができる。
電源やケースも別に用意しなければなりません。その意味で自作PCの世界に似ているかも。
こいつらは、パッチング(結線)しないと音が出ないんですね。まあ自分なんかはCV/GATEのシンセで育ったので、パッチ作業なんかは楽勝です。
アナログ回路だから、利用前に回路を暖める時間が必要だったり、チューニングが必要だったり、そもそも音域によって音程ズレがあったりね。
まともな楽音を出そうと思うと、物凄く手間がかかる。だからこそ、導入してから気付いたが、これは「楽器」なのだと。
冨田勲先生は70年代-80年代にこんな手間暇掛けて作品を作っていたのかと、改めて畏敬の念が湧いてきました。冨田先生が主に使っていたのはmoogのモジュラーだけど、80年代にはRolandのこいつらも何セットもスタジオに並んでいたので…。それを思うと、もうエンドルフィンがドバドバ出ますわ。
これ触っていると、気分が10代の頃に戻ってしまって大変です。
ようやく導入作業が完了したので(設置場所やオーディオの取りまわしも含めて)、今後の制作に活かします。
使用感など、またおいおい書いてみたい。
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