アマプラで出てきた懐かしいコメディ映画。てっきり70年代かと思ってたが1981年だった、アメリカ大陸を縦断する違法公道レースの話。レース自体の駆け引きというより、参加者のキャラの濃さが売りになっている。
主演バート・レイノルズ。この頃の違法レース物といえばこの人(w)。先頃の「ラスト・ムービースター」では老いたスター役で主演して、当時のドタバタもネタにしてました。あとジャッキー・チェン、マイケル・ホイ、サミーデービスJr、ロジャー・ムーア、ファラ・フォーセットも出てくる。
まあ、今でいえばコンプライアンスなり、差別表現なりで完全にアウトな表現やギャグもあり、当時は牧歌的だったんだなあ、という変な笑いも楽しめます。
まあなんといってもロジャー・ムーアの役がヒドイ。ロジャームーア似が自慢の大金持ち役を本人がやっている。ショーン・コネリーから2代目ジェームズボンドを引き継いだ人で、比較して色々言われていた時期。劇中オレは有名な俳優で……と自慢するものの、「誰?」と言われたり「知らん」で殴られたりする(弱い)。美女をエスコートしてボンドカーで参加してるんだけど、最後に他の役者と間違われていたと知り、なんともやるせない虚無な表情になります。洒落にならん、仕事選びなよ。(でもこの人のボンド映画は面白かったですね)
ラストで自分がボンドカーの排出ガジェットで吹っ飛びます。よく引き受けたな。
で、このボンドカーのシーンで、「007のテーマ」……とそっくりだがギリでアウトの音楽が流れるのですが、これが一番面白かった。普通はギリセーフで作るだろ、っていう。当時は映画音楽のほうもユルかったのか。これ今だったら絶対無理だろうと思う。今観ると80年代初頭の楽天的なアメリカの雰囲気が、濃厚に感じられる映画でした。