去年リリースした「初恋インパクト」のボカロバージョンを作ってみた。導入したばかりのアウトボード「ART Pro VLA II」でマスタリングした曲を早く出してみたかったから。
この曲はきらきらデジタルミックスだから、真空管/オプティカルコンプであるVLAを通すと、かなりいい感じにアナログフレーバーでまとまった。まさにザ・音源といった仕上がり。
今回音圧上げにはOzoneですが、アナログ感を付けるためにVLAを通すだけで、お手軽に音質が数段ランクアップします。(こうしてみると、アウトボードというのは究極の時短ツールといえそう)
で、2mixをVLAに通して録音、それをOzoneで音圧処理して完成。(Ozoneを掛けてからVLAに流すと、なぜかボカロの癖が増幅されて耳障りだった…)
マスターを完成させてジャケ画像も作ってさあリリースだ、という段階になってディストリビューターnarasuで、登録直前に怖ろしい事実が発覚。リンクされていたクリプトンのPCL(利用許諾契約)をよく読んでみると……
「法人、または法人格のない団体のおいては、クリプトンとの個別契約なしには、ボカロ曲をリリースできない(商用でも非商用でも)」
ということが判明したのです。😢
皆様ご存知、対応ディストリでならボカロ曲を自由にリリースできますよ、という例の許諾は、個人&非商用のみの場合にしか適用されないのですね。個人でも、たぶん有力ボカロPなんかは、個別契約になってるんじゃないか。
うちなんか、モロに商用であり、法人格のない団体(レーベル)だから、絶対に個別契約が必要ということでしょう。(つまり別料金が掛かるということでもある) あやうく権利的に真っ黒な音源を出してしまうところだった。これ非商用でもダメだから、Youtubeに上げるだけでも権利に抵触しますね。
こう考えてみると、ボカロソフトというのもかなりユーザーへの縛りが強い製品といえそうです。(以前も書いたけどね)
そして、これで商売がうまく行ってるから、クリプトンに続けとばかり多数の企業がボカロ&音声合成ソフトのビジネスに参入して、現在まで有象無象の乱立状態になってるわけです。
実はボカロソフト自体の売り上げは大したことはなくて、この権利ビジネスで儲けが出ているという話が、結構前だがどこかの記事に出ていた。
どうもウチみたいなところは、大人しく(本来の利用法である)「仮歌ツール」としてボカロを使っていたほうが良さそうです。今回はテストリリース用だったが、もし本気で作ってたらダメージ極大だった。
2025/02/21
ボカロ曲とレーベルリリース
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疾走雪上車はてしなく――。アナログリズム・テクノポップ 作詞:- 作曲:弦央昭良 編曲:弦央昭良 Release Date:2024/10/15 JASRAC作品コード:307-0651-3 #テクノポップ #エレクトロニカ #シンセポップ