ウチはマスタリングといっても、夢がなくてスマンが、毎回IZotope Ozoneで統一しています。
というのは、マスタリングは最終(微)調整の工程と位置づけているので、ミックスの段階で音質などの方向性はすべて仕上げていて、あとマスタリングはEQやマキシマイザで処理するくらいに留めています。ミックスに問題があれば戻って対応できるので、むしろマスターでゴチャゴチャやらない方がいい結果が出るんですね。
で、作業のスピードアップを図るためもあって、もっとも癖がないと思われるOzoneで仕上げている訳。この工程は透明であった方がいいわけです。
ただ今回、オールディーズにリスペクトした曲をマスタリングしていて、いつものOzoneマキシマイザーでは雰囲気が合わないことが判明した。バラードなので音圧操作は特に不自然さが出る。聞く人が聞けば不自然さバリバリです。
そこで試行錯誤の結果、Ozoneで初めてVintage Limiterを使ってみたんですね。音圧はそれほど出ないけど、その分自然でいい感じに持ち上げてくれました。こんなのオマケだろうと思っていたら、結構ちゃんとしてた。
しかもマキシマイザーの方と結果を比べると結構衝撃で、マキシは変なタイミングでウネウネと音圧上げ処理しているようです。厳密にいえばトラックのダイナミクスが不自然に変更されちゃってる。今後はリミッターも使っていった方がいいかと思った次第。
リミッターがいいとわかると、途端に他も試してみたくなるのが人情ってもので、久々にWaves L2も試したが、なんだか全体的にWaves色に染まってしまって、今回は敬遠。
更に調子に乗って、SonnoxのOxford Limiterを購入。これもABILITY/SSWで昔使っていたので使用感はわかる。
今回ProToolsで試してみたら、やはり自然に音圧感が出てよかったが、なかなかにブリティッシュな仕上がりになってしまい、残念ながら曲調に合わなかった。アメリカのオールディースをリスペクトした曲なので。
OzoneのLimiterと比較すると、面白いことに確かにそっちはアメリカンなんですね。
プラグインにもお国柄で出るようで、なかなか面白い。
以前より音圧が求められなくなってきているので、マキシマイザーよりリミッターも使っていったほうがいいかもしれない。そうすると、EQも組み合わせを考えたいが、今回はOzoneのEQで間に合わせた。
2024/11/08
マスタリング用リミッター考
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