2024/11/04

スムースAORのアルバム

  ずっと追い続けているアーティストさんがいて、新作アルバムが出たので聴いてみた。これが、びっくりするくらい良い出来。強烈な音圧とドンシャリで耳を破壊するイマドキ音楽の対極をゆく、穏やかな伴奏の流れにボーカルが浮かび上がるような、スムースAORとでもいうべき作品でした。

 このアルバムで提示された独特の歌唱法に、最初は、なぜこんな不安定な歌唱をするのだろうと思った。ところが通して聞くと、これが意図だとわかる仕掛け。
 ミックスボイスからファルセットへゆるりと切り替えると、声が不安定に裏返ったりしますが、それにより浮遊感や官能性を醸し出す。非常に微妙なバランスで成立してました(というかさせていた)。良いテイクが録れるまで苦労しているかも……。

 全曲書下ろしの心象スケッチのような、静かだが印象的な良作でした。英国新進プレイヤーのサックスも、非常に効果的に楽曲の中に溶け込んでいます。ちょっとBジョエル「素顔のままで」を思い出した。
 このアーティストさん、オリジナルアルバムはもう30枚近いんだけど、まだこんな新しいことにチャレンジされるとは……。ウェザーリポートだってそんなには続いていない。😓 いやー嬉しい驚きでした。

 たぶんメジャーではこのコンセプトは通用しない。これはちゃんと聴いてくれるファンがいるインディーズだからこそ。マスタリングは英国有名スタジオの高品質マスターで自作ミックスも良い。アルバム単位での音楽表現、まさにAOR(Album Oriented Rock)。
 こんなにも尖った方だったとは……ひとつの境地ですよこれは。密かに最大限のリスペクトを贈りたい。弦央も気合いが入ったよ。

11/18 新曲「オールドソングス」/ Tombo

  いま、ただひとつの想いを伝えたくて――。CARPENTERSに捧ぐ  「オールドソングス」/ Tombo  作詞:弦央昭良  作曲:弦央昭良  編曲:弦央昭良 Release Date:2024/11/18 JASRAC作品コード:307-0643-2...