商用リリース用マスター音源の大敵、ノイズ。といってもDEW RIDGE RECORDSのように制作の全工程を管理していると、意外とノイズを最初から排除できるんですね。
ウチなんかはレコーディングといっても、ほぼ電子楽器のライン録りばかりなので、歪みもノイズもまず発生しません(レベル管理をきちんとすれば)。やり直しも簡単だしね。
(アナログシンセの音が暴れる、ってのはまた別の話)。
ただモニタしつつ完璧に録音しても、ミキシングの後半になってノイズに気付くことがあり、大抵次の2パターン。
一つ目は、ミキシング時に、ピーキーで高域が強い音が重なって波形が合成され、ノイズになる場合。これ以前も書いたけど、発見したら該当音を瞬間的に絞るとか、その種の対策をとる。(時々幽霊の声が入っている……と話題になる曲があるが、この波形合成が原因でしょう)
二つ目は、ボーカルトラックでありがちな、リップノイズ。これ、意外とやっかいなんですよ。唇を開くときにかすかに入る「チッ」みたいなノイズですね。今のマイクやI/Fは高性能だから、宅録に不慣れなボーカルさんだと、こんな音も拾ってしまってることがある。
それも、生トラックのままなら目立たないとしても、コンプ2段掛け……なんてことをしていると、増幅されてはっきり耳で聞こえるノイズに化けます。
これも見つけたら波形編集等で削るしかない。
どちらのノイズも、一般リスナーは気付かないかもしれませんが、音楽業界の人ならわかってしまうから、消しておかないと恥ずかしい思いをします。
現代の制作環境は、音がクリアになった分ノイズには厳しいといえるかもしれません。