ラジカセが音のスムーサーになるって話は書きましたが、それは録音メディアとして「テープ」の良い部分(特性)が出たからでした。ところが、良い部分があれば悪い部分(?)もあるわけで……。メモ的に書いてみます。
テープ処理したトラックを使った最初の曲は、楽曲のほんの一部分(2小節)だったんですね。DAWで録った元の音は使わず、テープ録音のフレーズに差し替えた。
これが上手くいったので、次の曲では、打ち込みっぽさが抜けないトラックに、テープの音を薄く重ねて生楽器感が出せないかやってみた。結果は非常にうまく行って、スムーサー+リアライザーみたいな良い仕上がりになりました。
ただ、曲の前半は良いものの、サビくらいになってくると、だんだんフレーズが二重に聞こえてくる。特にギターの刻みだったので大変目立ちました。
察しのよい皆様はもうおわかりでしょうか……。そう、テープ録音→再生したことで、テンポが狂ってしまっていたのです(w)。カセットテープレコーダーは、往々にして再生/録音速度が相当アバウトなんですね。再生と録音がきっちり同テンポなら、理論上はこういうことは起こりませんが……。
弦央と同年代か年上の皆さんは、カセットがこういうものだと体験的に知っているはずです。ラジカセどころか、カセットデッキでさえ結構怪しい。自分も、今回のことがあるまですっかり忘れてましたが、100Vで動かしてもこんなもので、電池駆動だった日にゃ、最後はモゴモゴ言い出しますからね(笑)。
で、今回はどうしたかというと、演奏がない部分でテープのWAVを分割して、適宜頭を合わせて解決しました。厳密にいうとフレーズの最後では若干のズレがあるけど、この程度なら問題なかった。というか、これ一種のダブルトラッキングといえなくもない。(テンポが狂っているということは、音程もその分変化してます。デチューンですな)。
弊社は転んでもタダでは起きません(w)。なんと、スムーサー+リアライザー+ダブルトラッキング(ディレイ?)のエフェクトとなってしまいました。これは新しいな。プラグインではまず出せない味です。
いやー、アナログ機器は本当に面白い。