今回は作曲勢の皆様にしかわからない話。
ちょっと前ここで言っていた4度堆積和音の表記法、今書いている曲から導入してみました。「CQ」みたいなやつね。これでCから上に4度-4度のトライアド(3和音)。実音だとC-F-Bbですね。
これは本来の表記法だと、C7sus4 omit5ですね。もし5thをomitしないで1オクターブdropすると、G-C-F-Bbになって、これが実はまた4度で、4度堆積のテトラド(4和音)になる。思った以上に4度堆積はsus4と関連が深い、面白い。
(テトラドの表記だと、この場合GQ#9というのを考えています、今のところ)
で、細かい話は置いておいて超ザックリとした感想だけど、どうもこのQ和音はサブドミナント類といえそうな感じがする。ドミナントではないし、トニックでも勿論ない。
というのは、従来の機能和声(普通のコード進行)の中にこいつをいれると、どうやらサブドミナントのような機能になっているんですね。その証拠に、本物のSDを連結しようとすると、機能が同じ感じでうまく進行してくれません(実表記だとFとか代理のDm)。逆にトニックやドミナントだとうまく行っています。
そして面白いことには、これはsus4ではないんですね、構成音は同じでもきっちり4度で堆積していると、違う和音に変化してるような感じ。
ま、これはまだ1曲書いただけのファーストインプレッションなので……。
あと、テトラドになると、ちょっとテンションが当たっているフレーバーになる、なのでCQ#9という表記は案外良いのかも。
とりあえず、Q理論といってるけど、衒学的に追求するつもりはさらさらなく、従来のコード理論の中で、いかに簡単に簡便に4度堆積を使うか、使えるようにするか、という超実戦的なものを目指しています。まあちょっとした理論拡張ですね。日々の作曲活動の中で便利に使えればそれで良いわけです。
もともとコードネームが発明されたのも、クラシックの表記ではわかりにくいからと、コードを簡単に扱えるようにという意図だったはずなので。20世紀初頭のアメリカが発祥だったと何かで読んだ。(それがデューク・エリントンらのジャズの理論構築にもつながっていく)。
最後に、Cメジャーの場合の構成音一覧:
●QUADトライアド
CQ | [IQ] | C-F-Bb | |
DQ | [IIQ] | D-G-C | * |
EQ | [IIIQ] | E-A-D | * |
FQ | [IVQ] | F-Bb-Eb | |
GQ | [VQ] | G-C-F | * |
AQ | [VIQ] | A-D-G | * |
BQ | [VIIQ] | B-E-A | * |
[*] – スケールトーンだけで構成されているもの(=ダイアトニックコード)
(つまり、CQとFQはダイアトニックコードにはならない)
●QUADテトラド
CQ#9 | [IQ#9] | C-F-Bb-Eb | |
DQ#9 | [IIQ#9] | D-G-C-F | * |
EQ#9 | [IIIQ#9] | E-A-D-G | * |
FQ#9 | [IVQ#9] | F-Bb-Eb-Ab | |
GQ#9 | [VQ#9] | G-C-F-Bb | |
AQ#9 | [VIQ#9] | A-D-G-C | * |
BQ#9 | [VIIQ#9] | B-E-A-D | * |
(今度はI IV Vが外れてしまった)
まあ独自研究というもんでもなく、頭の体操みたいなもんですわ。