EPレコードをデジタル録音していたのですが、最初はつい回転数のことを忘れて、「もごぉもごぉ」みたいになって笑いました。
今でもLPは時々聞くが、EPは久しぶりだったので。45回転/分ね、LPは33回転。もっと古いレコードプレイヤーだと、SP=78回転というのもあったりするが。
(知らないヤングのために解説すると、回転数の切替スイッチというのがあるのだよ)
レコードも、今は見直されてわざわざそれで曲を出すアーティストさんも増えてますが、深夜にディスクを回していると、なんとも形容し難いゆるやかな良い雰囲気になり、これはわかりますわ。不便であるが故の贅沢さというか。
人間なんて勝手なもので、昔はCDに飛びついてレコードをお払い箱にした癖に、デジタル全盛で物理的媒体が消滅すると、今度は不便でかさばるレコードが俄然懐かしくなってくるんですね。
よく言われるけど、あのレコードのサイズというのは、ジャケットのアートや歌詞カード・解説を入れるのに最適で、全てひっくるめて音楽を体験できるような作りになってたんですね。CDサイズではいかにも迫力がなく小さい。その点レコードはEPサイズでさえ、ちゃんとジャケットも楽しめる。
配信になってしまうと、もう何もない状態ですから……。
それに今となっては、文字通り「聞くと擦り減っていく音」というのは、何ともファンタスティックで面白い。一期一会で二度とない音楽体験、一回一回のプレイバックがそうなんだから。
なんか、調べてみたら3Dプリンタ(←これもすっかり下火だがw)でレコードを作るってことも、製品によっては出来るそうで。音質的にはかなり厳しいらしいが、それでも普通は金型を作らないとプレスなんか出来ないので、小ロットの製造には面白いかも。
インディーズバンドなどで、グッズとしてEPレコードを作ってみるとかね。ジャケットやレーベルなんかは普通にプリンタで作れるだろうし。
(…と思って調べたら、普通にプレスしても今はEP100枚で13万円くらいだそう。案外お手頃ですね)
ところで、録音している途中、ヘッドフォンをしなくても音がかなり大きく聞こえて、ちょっと面白かったです。(深夜で静かだったこともあるが)
そうなんです、物理的に溝にそって針が動くので、それを電気信号に変換する前に、すでに針が動いて直接音が聞こえるのです(笑)。
特に今使ってるプレイヤーは針がMM型なので、これは確か音が大きく聞こえたと思う。MC型だともっと音が小さいんじゃないか?(電気的出力も小さい、しかし音質は良い)。 MC型の針がついているプレイヤーもあるけど、ウチのは既にアームがイカレてて、ほぼ使えなくなってる。
面白いもので、今は音質的にはよくないMM型のプレイヤーの音でも、却って良く思えたりするんですね、ワウフラッター(回転数の変動)もあったりするけど。
針を落とす音、針が上がる音、モーターの動くわずかな音なんても、CDやデジタルデータにはないアナログ特有のもので、非常に音楽的に聞こえる。
ハイファイでノイズのないキレイな音ってのは、CDでも聞けるので、LPやEPにはそうでない別の何かを求めるようになっているんですね、われわれは。
音楽の聴き方にも選択肢が出来てきていて、本当に面白いと思います。