2021/11/09

ダイナミックEQの質感

 マルチバンドコンプとダイナミックEQは動作が非常に似ていて、というかほぼ同じと言っていいと思うんだけど、それでも実際に使用してみると、結果としての質感がかなり違いますね。(前者は特定帯域を圧縮する、後者はただゲインを下げる)
 これはサイドチェインで使った場合だが、やっぱりダイナミックEQの方が自然な仕上がりになる。ジグソーパズルをかちっとハメ込んだ感じ、とイメージして頂ければ良いかも。

 といっても、ウチの場合はほぼマルチバンドコンプは使わなくなった。打ち込みで生楽器アンサンブル&バンドサウンドを再現していく音楽制作なので、音圧対策には良いが結果が不自然になりがちなプラグインは、自然と使わなくなりました。
 そもそもちゃんとアレンジすると、2mixで14LUFSくらいの音圧はすぐ出ますからね。フルオケ曲で何もしなくても13-12まで行ってしまうこともある。
 ということで、自ずとこのテのチート(?)プラグインを使う時は、問題の出たミックスを解決する場合になるのだけど、トラックとしては普通に良いが、音域的にどうしても重なってしまう場合。どっちかのパートを動的に抑えないといけない。……こんな時、最近はダイナミックEQにしています。ウチは普通に「Waves F6(RT)」ですね。

 例えば女性コーラスとエレピの白玉。美味しい音域が重なりがちですね。EQで削るのも限界がある。こんな時はサイドチェインでコーラスの信号をエレピのF6に送り、声が出ている時だけ該当音域を動的に3dbくらい削ってやる。非常に自然に溶け込みます。
 これがマルチバンドコンプだとそこまで自然でもない。(まあ好みの領域であることは認めますが)

 しかしF6も操作がなかなか複雑で、うかうかしているとただの静的EQとしてしか動作していない状態になる。あれは動作するとちゃんとモニタラインが「へこっ」と下がるので、目視で確認は必須ですね。

 ダイナミックEQは昔はなかったと思う(手コンプならぬ手EQで下げてたエンジニアもいたかも?w)、こいつはプラグイン時代の文明の利器といえそうです。

9/20 配信開始「ふわり」/ まいみぃ

ノイズに埋もれゆく君の手触り、きっと取り戻すから――。シンセポップ・ロマンス   ふわり / まいみぃ  作詞:弦央昭良  作曲:弦央昭良  編曲:弦央昭良 Release Date:2024/09/20 JASRAC作品コード:305-9357-3 #AOR #...