あるシンガーソングライターさんの新作アルバムを聴いた。
発売前に曲目リストを見ると、シングルリリースで既に聞いた曲が何曲か入っていて、大体の仕上がりがイメージできる状態でした。実はここだけの話、あまり期待していなかったともいえる(汗)。
ところが実際聞いてみると、いい方向で予想を裏切られて、非常に良作でした。陽光あふれるテラスで、アフタヌーンティーを楽しんでいるかのようなリスニング感。世界的につらい出来事が続くこの時代に、ふっと心を穏やかにしてくれる楽曲群。書き下ろし曲が良いのもあるが、シングル曲もアルバムの中でベストポジションに配置され、続けて聞くとまた別に聞こえ方がしてくるのだから不思議です。
いや、不思議でもなんてもなくて、たくさんのアルバムを作ってきたアーティスト特有のマジックでしょう。
音楽家の役目、こんな荒れた時代における使命みたいなもの、そんなことまで考えさせてくれる作品でした。
いやー、お見それしました、って以前も書いてるが、本当に凄い方だ。たったひとつ不満は、ぜひ再ブレイクして下さい、ってことだけです。洋楽を聴いてきた音楽マニアなら、このアルバムは絶対嬉しいはず。70年代の名曲の、掛け値なしに素晴らしいカバーも入ってるし。
余計なことかもしれませんが、CD発売日には、SNSでジャケットと販売チャンネル書いて告知すべきですね。ファンでも知らない人がいても不思議じゃない。アマゾンやタワレコ他、国内流通網に乗っているんだから。
自分がもしレーベルスタッフだったら、「リラックス&デトックス。アフタヌーンティーをご一緒に」って帯に書くかな。
重箱の隅、かなりの部分でミックスもご自分でやられていますが、素晴らしい出来です。ただ8曲目の一部と、11曲目の全体が、ミックス(音質)に少し違和感ありました。アナログ的歪みが感じられる、またボーカルコンプの掛け方が他と違う(11)。たぶん意図して宅録っぽい音を作ったのだと思いますが。(オープンリールテープで録った?)
マスタリングはロンドンで行われていて(アビーロードスタジオ含)、全体的には完全にメジャーの品質。
しっかし、最近この方、ちょっと楽曲のイメージが変わったな。音楽はまだ進化し続けるようです。