2022/07/16

ミックスの気付きシリーズ

 アナログモデリング系のプラグインを使い過ぎて、マスターから透明感が失われた、という話をしばらく前書いた。ロックとかフュージョンとかアップテンポで元気のある曲なら歪み系サウンドが合うことも多いが、例えば静かなアコースティック系バラードとか、いってしまえば普通のインストでも歪みはあまり歓迎される結果はもたらさない(私見ですよ、無論)。

 それで、試しに自分の曲で無色透明系のプラグインばかりでミックスしてみたのですね。シンセとかほぼない、サンプリング音源ばかりの曲で。
 それをまた無色透明系のマスタリングに掛けたらどうなったか。

 モニターヘッドフォンや、ミニコンポ、リスニングヘッドフォンあたりまでは、なかなか良かった(モニターSPも)。ただ弊社の最終確認環境、フルサイズのステレオコンポで聞いたら……これが、見事に各サンプリング音源の「色」が見えちゃって。NIならNIでまとまってていいんだが、そこにUVIやら、ギターのMusicLabやら(+IKマルチメディア)。ねえ。バラバラなんですよ。ああ、打ち込みで作ったな、というのが丸解りでかなり恥ずかしい状態。これじゃあダメだな、という結論になった。
(たぶんシンセだけの曲なら、無色透明でもイケたはず…)

 この時はどうやってまとめたか、というと、マスタリングでちょっと色を付けたんです。すると音源独自の色が消えて、ちゃんと曲としてまとまりました。あまり好きな方法ではないが、色付け系マスタリングプラグインは、こういう風にも使えるのか、という発見をした次第。

 これが、ミックスでアナログ色満載の2mixを作ると、今度はマスタリングが透明でないとかなりクドイ音になるからね。
 もちろんこういう話は、楽曲の内容やらジャンルやら、色々な要素が影響するから、一概にはこうとは言えないが、常に全体の作業を意識しながら進めないと、成果物がトンでもない代物になりかねないので、注意しないとね。
 統一感というのも、ミキシングの大切な要素です。

11/18 新曲「オールドソングス」/ Tombo

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