寺尾聡さんの「ルビーの指環」がラジオで掛かっていたので久々にちゃんと聞いたが、今更ながら本当に名曲です。シティポップというか、たぶんそれが進化・深化したAORというべきでしょう(実際昔はAORの代表曲の一つと言われてた)。
ボーカルはもちろん、サウンドもアレンジも本当にスタイリッシュで格好良い。そして歌詞はズバリ「物語の世界」。好きな女性にルビーの指環を渡したが……というのは寺尾さんの実体験ではないはずなので。
で、作詞・作曲も寺尾さんだと記憶していたのですが、今回調べたらこれは間違いで、作詞は大御所・松本隆さんではありませんか。職業作詞家の手になる、まさに物語の歌詞だったわけです。
(余談ながら、この曲に登場する女性はちょっとプロっぽい。当時から思ってた(汗) たぶん指輪は売られたはず?)
Wikipediaで調べると、この曲は1980年発売。正にバブル時代の始まりに、こんなAORの名曲が出てきたわけです。当時は高い宝石を女性に贈ることも、(婚約以外でも)珍しいことではなかったはずです。しかしこの男性は振られて2年も引き摺っていたり、ちょっと情けないよね。
アレンジとキーボードは井上鑑さん、他にもギターの今剛さんドラムスの林立夫さんを始め、錚々たるメンバーがバックを固めています。今改めて聞くと、結構ライブ感のあるアレンジと演奏だな……と。きっちり計算して作ったアレンジワークではなさそう。それが非常に楽曲に良い効果をもたらしているように感じます。
こういう大人が聞いてもハマる曲って、今はなかなか少なくなりました。世の中には絶対存在するはずだけど、ヒットまで辿りつかない。寂しい限りです。これが160万枚売れたんですから、当時のリスナーは皆耳が良かったよ。
自分はまだティーンでしたが、それでも滅茶苦茶カッコイイ曲だなと思ってました。周りの子たちも皆聞いてた。その意味では若者から大人まで鷲掴みにされた名曲です。